劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

劇場版 鋼の[[錬金術師]] シャンバラを征く者：詳細解説

2005年7月23日に公開されたアニメ映画『劇場版 鋼の[[錬金術師]] シャンバラを征く者』は、テレビアニメ『鋼の[[錬金術師]]』シリーズの完結編として制作されました。しかし、原作漫画とは独立した完全オリジナルストーリーとなっており、2009年のアニメ『鋼の[[錬金術師]] FULLMETAL ALCHEMIST』や、2011年の映画『鋼の[[錬金術師]] 嘆きの丘の聖なる星』とは世界観や設定を共有していません。

ストーリー概要

舞台は、第一次世界大戦後の1923年、インフレと貧困に苦しむドイツ・ミュンヘンです。テレビアニメ最終話で異世界へ飛ばされたエドワード・エルリックは18歳となり、故郷であるアメストリスへの帰還を夢見てロケット工学の研究に没頭しています。一方、エドと暮らす少年アルフォンス・ハイデリヒは、ロケット製作を夢見て活動しますが、その裏には謎の組織「トゥーレ協会」の陰謀が潜んでいました。

エドは街のカーニバルで、他人の心を読む力を持つロマの少女ノーアと出会います。その出会いをきっかけに、エドはドイツで進行する危険な計画に巻き込まれていきます。それはアメストリスをも破滅に導く危機を孕んでいました。

一方、アメストリスでは13歳になったアルフォンスが、エドを探す旅に出ます。しかし、記憶を失ったアルの純粋な願いが、予期せぬ悲劇を引き起こす可能性も秘めていました。

様々な思惑が交錯する中、兄弟の運命、シャンバラ（アメストリス）への想いと、門の鍵を握る者たちの物語が展開します。

主要登場人物

現実世界（ドイツ）：

エドワード・エルリック: アニメ版主人公。アメストリスへの帰還を焦る姿が描かれています。
アルフォンス・ハイデリヒ: エドと同居する少年。アルフォンス・エルリックと瓜二つで、ロケット製作に情熱を注ぎます。
ノーア: ロマの少女。他人の心を読む力を持っており、物語の鍵を握ります。
デートリンデ・エッカルト: トゥーレ協会会長。シャンバラの技術に強い関心を示します。
カール・ハウスホーファー: トゥーレ協会メンバー。シャンバラを目指し、アルのロケット工学にも関与します。
ルドルフ・ヘス: エッカルトの部下。シャンバラの技術を利用しようとしています。
フリッツ・ラング（マブゼ）: 映画監督。ブラッドレイに似ている容姿が物語に影響を与えます。
エリック・ヤン・ハヌッセン: 移動式カーニバルの主宰者。ノーアの能力を狙います。
エンヴィー: エドとアルの兄。ドラゴンの姿で現実世界に存在します。
ホーエンハイム: エドとアルの父親。現実世界で門への帰還方法を探ります。
ヒューズ: ミュンヘンの警察官。錬金術世界と異なる側面も描かれています。
グレイシア: エドとハイデリヒの下宿先の大家。ロマであるノーアを差別しません。
フューラー: ミュンヘン一揆の中心人物。

錬金術世界（アメストリス）：

アルフォンス・エルリック: エドの弟。記憶を失い、兄を探す旅に出ます。
ウィンリィ・ロックベル: エドとアルの幼馴染。成長した姿で登場します。
ピナコ・ロックベル: ウィンリィの祖母。
ロイ・マスタング: 北方の地で軍務に就いています。
リザ・ホークアイ: 中央司令部で勤務を続けます。
アレックス・ルイ・アームストロング: 退役軍人。リオールの復興に携わっています。
シェスカ: 中央司令部勤務。ウィンリィを地下都市へ案内します。
ラース: ホムンクルス。ウィンリィによって救われます。
グラトニー: 地下都市で進化した姿で登場します。
* ハスキソン: 錬金術を忌避する物理学者。新型爆弾を開発します。

制作背景と評価

本作は、テレビシリーズとは異なるテーマ「世界と自分とは無関係でいる事はできない」を掲げています。1920年代ドイツの歴史的背景を踏まえつつ、現実世界の描写に重きが置かれています。スタッフは、原作未読者にも楽しめる作品を目指し、映画らしい演出や音楽、そして実力派声優陣を起用するなど、様々な工夫が凝らされています。興行収入も高く評価され、様々なメディアで取り上げられました。また、時代背景や登場人物の描写、音楽、そして声優陣の演技など、様々な点において高い評価を得ています。

その他

主題歌はL'Arc〜en〜Cielが担当。「Link」と「LOST HEAVEN」の2曲が使用されました。DVD、Blu-ray、サウンドトラックなども発売され、様々なイベントも開催されました。

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