劉英俊

劉英俊（ユ・ヨンジュン、1892年 - 没年不明）は、朝鮮半島出身のフェミニズム運動家であり、医師です。平壌で生まれ、1910年に貞信女子学校を卒業後、中国の北京女学校に留学しました。そこで、独立運動家の安昌浩と出会い、社会主義運動と朝鮮独立運動に強く惹かれるようになりました。

1918年頃には日本に渡り、東京女子医学専門学校（現在の東京女子医科大学）に入学しました。留学中には、「在東京朝鮮女子留学生親睦会」に参加し、羅蕙錫、金瑪利亜、黄愛徳らと出会い、親交を深めました。この親睦会では、韓国初の女性雑誌『女子界』の継続発行のために、会内組織である学興会の会長に選出され、活動を支えました。

1919年には、二・八独立宣言書発表の場に、金瑪利亜や黄エスタらとともに参加しました。1921年には朝鮮各地を巡回し、女性の意識向上と衛生観念の普及を目的とした講演活動を展開しました。1923年に東京女子医専を卒業後、日本赤十字病院で研修を積みました。1925年に朝鮮に戻り、東大門婦人病院に勤務する傍ら、泰和女子館で孤児や貧困層の女性に対する医療救済活動を行いました。

1927年5月には、女性の団結と地位向上を目指す女性統一団体「槿友会」の設立に尽力し、中央執行委員会や政治研究部常務委員などを務めました。また、金若水らが東京で組織した社会主義団体である北星会の発会記念講演では、「無産階級と教育問題」と題した講演を行いました。さらに、京城女子消費組合の監査長も務めるなど、多岐にわたる活動を展開しました。1934年には、安在鴻らとともに京城女子医学講習所を旧制専門学校（現在の高麗大学校医科大学）に昇格させる運動の設立準備交渉委員の一人に選ばれました。

1935年頃には中国に渡り、本格的な独立運動に従事しました。日本の敗戦による解放後、1945年12月22日に朝鮮婦女総同盟の中央執行委員長に選出され、「女性の政治・経済・社会的平等権の獲得」や「労働女性の条件改善」といった基本方針を提示しました。1946年には民主主義民族戦線の副議長に選出され、南朝鮮労働党が発足すると中央委員を務めました。

1947年に米国軍政部に逮捕された後、釈放されてからは越北しました。1948年8月には北朝鮮の最高人民会議代議員に、1949年には祖国戦線議長団議長に、1956年には朝鮮赤十字社副委員長に就任しました。北朝鮮では、第2回「祖国統一を支持する南北朝鮮諸政党・社会団体指導者連席会議」で、封建制の打破と男女平等の実現を訴える演説を行いました。

劉英俊は、生涯を通して女性の権利向上と朝鮮の独立のために尽力し、その活動は多岐にわたりました。教育、医療、社会運動、政治活動など、様々な分野で貢献し、その功績は今日でも高く評価されています。

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