安昌浩

安昌浩（アン・チャンホ）とは

安昌浩（アン・チャンホ、1878年11月9日 - 1938年3月10日）は、朝鮮の独立運動家であり、号を島山（トサン）と称しました。彼は、民族の自立と近代化を強く訴え、教育、実業、組織運営など多岐にわたる活動を展開しました。その生涯は、朝鮮独立運動における重要な足跡として、現代の韓国においても高く評価されています。

生涯

1878年、平安南道に生まれた安昌浩は、1895年に漢城府へ出て、キリスト教系の学校で学びました。そこでキリスト教に触れ、また万民共同会に参加したことで、独立運動に関わるようになりました。

1900年にはアメリカに渡りますが、1905年の日韓保護条約締結を知り帰国。1907年には新民会を組織し、啓蒙活動や教育事業、実業活動を展開しました。しかし、日韓併合を前に亡命を余儀なくされ、新民会も壊滅してしまいます。

その後、中国経由で再びアメリカに渡り、興士団を組織。1919年には、上海で設立された大韓民国臨時政府に参加し内務総長を務めましたが、派閥争いにより1921年に辞任しました。その後、修養同友会を結成し、満州での理想村建設を計画しますが、満州事変により頓挫しました。

1932年には、上海天長節爆弾事件に関与した疑いで日本軍に逮捕され、懲役4年の実刑判決を受けました。1935年に仮釈放されますが、1937年に修養同友会事件で再び逮捕され、収監中に病状が悪化し、釈放後、肝硬変のため亡くなりました。

主張と活動

安昌浩は、「自我革新・民族革新」を掲げ、民族自身が近代国家としての力を養うことが重要だと考えました。彼は、単なる独立達成ではなく、近代化を通じて他国にも引けを取らない国家を目指すべきだと主張しました。そのために、以下のような活動を行いました。

教育活動: 男女共学の私立学校「漸進学校」など、近代的な教育制度を取り入れた学校を設立しました。
組織活動: 青年団体「青年学友会」や修養団体「興士団」を設立し、人材育成に尽力しました。
実業活動: 近代的な株式会社を設立し、産業振興を試みました。
人材育成: 「新民会」を結成し、金九や呂運亨など、後の韓国を担うリーダーを育成しました。
* 国際連携: アメリカやロシアに韓国人連携団体を設立し、生活改善運動を推進しました。

評価

安昌浩は、韓国において非常に尊敬されている人物です。道徳の教科書にもその精神が紹介されており、左右の政治的立場を超えて敬愛されています。特に、上海臨時政府を重視する人々からは、権力を貪らず、統合を重視した人物として高く評価されています。

関連情報

ソウルには島山公園と島山安昌浩記念館が設けられており、彼の功績を偲ぶことができます。また、彼の長男はハリウッド俳優のフィリップ・アーン、長女は米海軍軍人のスーザン・アーン・カディです。


安昌浩は、朝鮮の独立と近代化のために生涯を捧げた人物として、その思想と行動は今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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