加瀬豊

加瀬豊：双日を率いた実力主義の推進者

加瀬豊（かせ ゆたか、1947年2月19日生まれ）は、日本の大手総合商社である双日株式会社の元代表取締役会長です。彼はまた、アステラス製薬と積水化学工業の社外取締役も務めています。

人物

千葉県出身の加瀬は、埼玉県立浦和高等学校を経て東京大学経済学部を卒業しました。2007年4月に双日の代表取締役社長に就任し、2012年4月1日には代表取締役会長に昇進。2017年6月に代表取締役会長を退任しました。

旧日商岩井時代には、アメリカ合衆国ワシントン州ベルビューでの勤務後、1986年に人事部に異動。そこで縁故採用を原則廃止し、実力主義に基づく人材登用制度を導入しました。この改革は、加瀬が推進したことで広く知られています。その後、ニュージーランド支社長などを歴任しました。

また、加瀬はナイキのフィリップ・ナイト会長とアメリカ時代からの親交があり、個人的にも親しい関係を築いています。1998年に日商岩井が経営危機に陥った際には、ナイトからアドバイスを受けるなど、その人脈が役立ちました。

元日商岩井社長であり、第28代日本銀行総裁を務めた速水優が死去した際には、当時の日銀総裁（第30代）であった白川方明と共に「お別れの会」の実行委員代表を務めました。

家族

加瀬の長男は俳優の加瀬亮です。亮が大学卒業前に突然「役者になりたい」と告げた際、加瀬は大反対。親子で激しい衝突となり、亮は家を出て行ったというエピソードがあります。亮の出演作品はあまり観ていないとのことです。

略歴

1970年 - 東京大学経済学部卒業後、日商岩井入社
1992年11月 - 日商岩井ニュージーランド会社社長兼オークランド店長
2003年4月 - 日商岩井取締役常務執行役員
2004年4月 - （旧）双日代表取締役専務執行役員
2004年8月 - （旧）双日代表取締役副社長執行役員
2005年10月 - 双日代表取締役副社長執行役員
2007年4月 - 双日代表取締役社長
2012年4月 - 双日代表取締役会長
2017年6月 - 双日代表取締役会長退任
2017年7月 - 双日特別顧問

まとめ

加瀬豊は、双日を代表する経営者として、そのリーダーシップと改革精神で会社を牽引しました。特に、日商岩井時代の人事改革は、実力主義の徹底という点で高く評価されています。また、国際的な人脈も豊富で、経営危機を乗り越える上でも大きな助けとなりました。退任後も双日特別顧問として、その経験と知識を活かしています。

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