加納周典

加納 周典（かのう ただのり）

1972年1月2日生まれ、愛知県名古屋市出身の日本の映画監督です。著名な写真家である加納典明氏を父に持ち、双子の弟である加納典譲氏もカメラマンとして活動するなど、芸術にゆかりのある家庭に育ちました。

経歴

表現者としての道を志し、学びを深めるために上京。桑沢デザイン研究所でデザインを学んだ後、1990年代初頭に劇団俳優座の第6期研究生として入団しました。ここでの同期には、後に俳優として活躍する松田賢二氏らがいました。しかし、一年という比較的短い期間で劇団を自主退団するという決断を下し、以降は自ら脚本を書き、演出も手がけるといった形で舞台制作に取り組みます。

その後、創作活動の場を自主制作映画へと本格的に移し、映画監督としての活動に専念し始めます。この時期の取り組みが後のキャリアを築く土台となりました。

映画監督として

2000年に発表した自身の監督作品である『wolf・ish』が、国内のインディーズ映画祭として知られる第3回インディーズムービー・フェスティバルにおいて、最高賞であるグランプリに輝き、その独自の感性と才能が広く注目されることとなりました。この受賞は、加納監督にとって大きな転機となります。

グランプリ受賞を契機として、2003年には監督作品『RodeoDrive』が公開され、劇場映画監督としての第一歩を踏み出しました。以来、主に単館系の劇場を中心に作品を発表しています。初期の作品では、低予算という条件下ながらも、リアルな描写や迫力のあるアクション、時にはバイオレンス表現を取り入れた作風で知られ、一定の評価を得ました。しかし、特定のジャンルに留まらず、2008年に制作した映画『約束の地』では、それまでの得意分野とは異なり、一人の少女の心の動きや成長を丁寧に追うヒューマンドラマに挑戦するなど、物語性や内面描写にも意欲的に取り組む姿勢を見せ、表現の幅広さを示しています。

その他の活動

映画製作の傍ら、自身のルーツとも言える音楽の世界にも関わっています。特に、長年のファンであった元チェッカーズの楽器メンバーによって結成されたバンド、アブラーズの活動に深く関わり、彼らのライブやツアードキュメンタリーを収めた映像作品（DVD）を複数本監督として手がけるなど、ミュージシャンの映像表現もサポートしています。

2011年からは、映像制作の現場における経験と実績を活かし、自身が設立した株式会社バトロコの代表取締役を務めています。監督業に加え、会社の経営者として、映画のみならず様々な映像コンテンツの企画・制作・プロデュースを手がけるなど、活動の領域を広げています。

受賞歴

第3回インディーズムービーフェスティバル　グランプリ（受賞作品：『wolf・ish』）

主な監督・参加作品

映画『wolf・ish』（2000年）
映画『RodeoDrive』（2003年）
映画『約束の地』（2008年）
アブラーズ ドキュメンタリーDVD「4 of us」
アブラーズ ライブDVD「Clover Tour」
アブラーズ DVD「アブラＴＶ」
アブラーズ ツアードキュメンタリーDVD「On the Move」
アブラーズ DVD「アブラＴＶ2」
THE MODS プロモーションビデオ「The Rights」

関係の深い人物

加納 典明（父、写真家）
松田 賢二（俳優、劇団俳優座研究生時代の同期）
* アブラーズ（関わった音楽グループ）

これらの活動を通じて、加納周典氏は多様な映像表現を探求し続けています。

※本記事は公開されている情報に基づき記述しています。
出典: あのひと検索スパイシー
関連リンク: 株式会社 バトロコ

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