加藤峻二

加藤峻二

加藤峻二（かとう しゅんじ、1942年1月12日 - ）は、埼玉県秩父市出身の元競艇選手です。登録番号は1485番、埼玉支部に所属していました。1959年のデビューから2015年に引退するまで、実に56年もの間現役を続け、その長きにわたる活躍から「御大」の愛称で親しまれました。また、現役最年長レーサーとしても知られていました。

生い立ちと競艇との出会い

幼少期はサッカーに打ち込んでいましたが、兄がオートレーサーであったことがきっかけで、自身も16歳で同じ道を目指すようになりました。しかし、養成期間の問題から競艇の世界に転身。埼玉県立小鹿野高等学校を中退後、1959年7月に桐生[[競艇場]]で17歳という若さでデビューを果たしました。デビュー節では、初勝利までに数日を要しましたが、荒れた水面をものともせず、豪快なレース運びで観客を魅了しました。当時、新人選手は厳しい指導を受けるのが常でしたが、加藤は持ち前のセンスと努力で頭角を現し、同期の中でも一早くトップレーサーへの階段を駆け上がりました。

選手としての活躍

加藤は、デビューから4期目には勝率6点台後半を記録するなど、その実力を早くから示しました。1962年には全国地区対抗競走のメンバーに選出され、関東地区を代表する選手として認められました。1965年には関東地区選手権競走でGI初制覇。1970年にはSG競走である鳳凰賞競走を制し、トップレーサーとしての地位を確立しました。その後も、1977年には笹川賞競走、モーターボート記念競走を制覇し、同年の最優秀選手に選ばれるなど、数々のビッグレースで活躍しました。

1970年代には、同じ埼玉支部の金子安雄選手とともに「埼玉KK砲」として全国にその名を轟かせました。SG競走では通算4勝、GI競走では通算21勝を記録し、通算3294勝は歴代2位の記録です。また、笹川賞のファン投票では3度も1位を獲得するなど、ファンからの圧倒的な支持を集めました。2003年には61歳で笹川賞競走に出場し、SG最年長優出記録を更新するなど、年齢を感じさせない活躍を見せました。

驚異的なスタート技術と記録

加藤は、その驚異的なスタート技術でも知られていました。通算フライング回数はわずか25回と非常に少なく、過去にはスタート無事故3000走、2000走を複数回達成しています。その正確で素早いスタートから「隼」の異名を持ちました。

2004年には、通算3000勝を達成し、2007年には65歳でGI競走で優出、最年長優出記録を更新。2010年にはボートレースの殿堂入りを果たしました。2012年には70歳代で勝利を挙げ、公営競技の最年長勝利記録を更新、2013年には71歳で優勝を飾るなど、数々の記録を打ち立てました。

引退とその後

2015年5月、73歳で現役を引退しました。引退の理由は、約15年ぶりのフライングを喫したことでした。引退レースでは、見事な勝利で締めくくり、長年の選手生活に幕を下ろしました。加藤の引退により、登録番号1000番台の選手は全員が引退しました。また、加藤の活躍を見て競艇選手を目指した平川香織選手も現れており、その影響力の大きさを物語っています。

主な獲得タイトル

1965年 - 関東地区選手権競走（桐生）
1970年 - 第5回鳳凰賞競走（住之江）
1977年 - 第4回笹川賞競走（住之江）、第23回モーターボート記念競走（浜名湖）
その他、数々のGI、GII、一般戦で優勝

戦績

出走回数：14652回
1着回数：3294回
優出回数：399回
優勝回数：120回
フライング回数：25回
通算勝率：6.54
* 生涯獲得賞金：1,635,759,463円

加藤峻二は、長年にわたり競艇界を牽引し、多くのファンに愛されたレジェンドです。その卓越した技術と精神力は、後進の選手たちにとって大きな模範となっています。

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