加藤平四郎

加藤平四郎は、1854年に美作国（現在の岡山県真庭市）で生まれました。岡山藩士の家に四男として生を受け、幼少期より学問に励みました。岡山師範学校を卒業後、小学校教員として教鞭を執りましたが、次第に政治の世界に惹かれていきます。


自由民権運動が盛んになると、加藤もその波に乗り、国会開設運動に身を投じました。演説会で弁を振るい、その情熱は多くの人々を魅了しました。しかし、その活動は時に政府の弾圧を受け、演説会が中止させられることもありました。それでも加藤の意志は揺るがず、中止の腹いせに「国安院妨害中止居士」と大書した白木の位牌を造り、弁士仲間と水葬に付したという逸話も残っています。


1890年、加藤は第1回[[衆議院議員総選挙]]に岡山県第七区から自由倶楽部の一員として出馬し、見事当選を果たしました。その後、1894年の第3回総選挙まで連続当選し、衆議院議員として活躍しました。一時落選を経験するも、1898年の第5回総選挙で返り咲き、通算四期にわたり議員を務めました。


政治家としてのキャリアを積む中で、加藤は行政手腕も高く評価されるようになり、1898年には第1次大隈内閣のもとで静岡県知事に任命されました。翌年には山梨県知事に転任し、在任中は土木事業や教育事業の推進に尽力しました。しかし、1901年に知事を休職することになります。


その後、加藤は1907年に甲府市長に就任し、再び地方行政の長として活躍の場を移しました。市長在任中の最大の功績は、1909年から1912年にかけての4年間におよぶ上水道工事を完成させたことです。これにより、甲府市民は清潔な水を安定的に利用できるようになり、生活環境は大きく改善しました。また、甲府市柳町にあった旧甲府市役所庁舎（旧梁木学校校舎）を、相生町に新築移転する計画を1914年に立ち上げ、翌年10月に完成させています（竣工の2ヶ月前に市長を辞任）。


加藤平四郎は、激動の時代を生き抜いた政治家であり、その活動は、地方自治の発展に大きく貢献しました。自由民権運動から国政、そして地方行政まで幅広い分野で活躍し、その足跡は今もなお語り継がれています。

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