第1次大隈内閣

第1次大隈内閣の概要

第1次大隈内閣は、1898年6月30日に伯爵の大隈重信が第8代内閣総理大臣に任命され、同年11月8日まで続いた日本初の政党内閣です。この内閣は、憲政党の中で旧進歩党系の大隈を首相に、旧自由党系の板垣退助を内務大臣に迎える形で形成されました。この組み合わせから「隈板内閣」とよばれ、当時の政治システムに新たな風を吹き込みました。

内閣の人事

大隈内閣では、1898年6月30日に内閣全体の国務大臣が任命され、その在職日数は132日でありました。内閣書記官長と法制局長官は7月7日に就任しました。この時期、大隈は首相として外務大臣も兼任することになります。

政治背景

内閣が発足する前、日本は議会制度の創設以来、藩閥内閣と呼ばれる政権が続いていましたが、実際には民党が議会の多数を占めており、藩閥側は彼らとの妥協や協力なしには政治を行うことが困難でした。第3次伊藤内閣がこの状況で失敗した後、憲政党が結成され、明治31年6月には衆議院の解散が行われました。この解散後、憲政党の二大政党が合同して強い影響力を持つ政権が望まれたため、大隈と板垣が新内閣を担うこととなりました。

政権運営の困難

大隈内閣は、明確に政党を主体とした内閣であったため、従来の藩閥内閣とは運営スタイルが異なりました。しかし、憲政党内の政治的な調整は非常に難しく、内部対立が生じました。特に外務大臣ポストを巡る争いが激しく、大隈がその役職を兼任したことにより不満が高まりました。内閣の下では、報道によって人事が批判され、政策運営は混乱をきたしました。

内部対立と崩壊

内閣の運営は順調ではなく、特に尾崎行雄文相の演説事件が引き金となり、自由党系と進歩党系の対立が一層激化しました。これにより10月21日には内閣が持ちこたえることができず、尾崎文相の罷免問題が表面化します。さらに、天皇の意向もあり、大隈は最終的に辞表を提出する事態に至りました。これにより、大隈内閣はわずか132日の短命に終わったのです。

まとめ

第1次大隈内閣は日本初の政党内閣として新たな姿勢を持って政権に挑みましたが、内部対立や政治的な調整不足が影響し、政権運営は極めて困難でした。この内閣の崩壊は、当時の政党政治が抱える課題を浮き彫りにする結果となったのです。

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