加西市立下里小学校

兵庫県加西市西笠原町に位置する加西市立下里小学校は、地域の公立小学校として、長い歴史と豊かな自然環境の中で教育活動を展開しています。学校は加西市の南部に位置し、周囲には田畑が広がるのどかな田園風景が広がっています。学校の西側には標高251メートルの善防山がそびえ、子どもたちは日々の学びの中で、四季折々の自然に親しむことができます。

沿革

本校の歴史は、明治時代の初期にまで遡ります。1873年（明治6年）2月、当時の地域に三つの小学校が設立されたのが始まりです。北部地区には牛居村に平密小学校、戸田井村に向善小学校が、南部地区には西笠原村の阿弥陀寺に笠原小学校がそれぞれ開校しました。これらの学校は、その後の地域再編や教育制度の変遷に伴い、統合や名称変更を繰り返しながら発展していきます。

北部地区の平密小学校と向善小学校は、1876年（明治9年）5月に統合され、尾崎村の多聞寺に協立小学校として生まれ変わりました。この協立小学校は、1881年（明治14年）5月に牛居村へ移転し、さらに1887年（明治20年）4月には簡易科を併設した協立尋常小学校と改称されました。

一方、南部地区の笠原小学校は、1876年（明治9年）5月に三口村へ移って品宇小学校と改称されましたが、1881年（明治14年）4月には再び西笠原村の阿弥陀寺に戻り、名称も笠原小学校に戻されました。こちらも1887年（明治20年）4月には簡易科を併設し、笠原尋常小学校となりました。

1888年（明治21年）4月、これら二つの尋常小学校、すなわち協立尋常小学校と笠原尋常小学校が合併し、笠原尋常小学校として統合されました。その後、1891年（明治24年）3月には併設されていた簡易科が廃止されています。

地域行政の変化として、1889年（明治22年）4月に下里村が発足したことを受け、この新しい村の中心的な教育機関として、1892年（明治25年）12月2日に改めて下里尋常小学校が設置されました。この年が開校年と位置づけられています。学校施設も順次整備され、1894年（明治27年）7月には新校舎が完成しました。

学校教育の拡充も図られ、1903年（明治36年）4月には下里村立裁縫学校が併設され、翌1904年（明治37年）4月には高等科が設置されたことにより、学校名も下里尋常高等小学校へと改称されました。大正期に入り、1921年（大正10年）には現在の校章が制定されています。同年6月には下里村立農業補習学校が併設され、従来の裁縫学校は女子部として統合されました。さらに、1926年（大正15年）7月には下里村立青年調練所も学校に併設されています。

昭和時代に入ると、教育制度の変更があり、1941年（昭和16年）には国民学校令に基づき下里国民学校と改称されました。第二次世界大戦後、学校教育法が施行された1947年（昭和22年）には高等科が廃止され、現在の下里小学校という名称に戻りました。

戦後も学校施設の近代化が進められ、1952年（昭和27年）に南校舎、1959年（昭和34年）に北校舎、1963年（昭和38年）には体育館が新築されています。行政区域の変更に伴い、1955年（昭和30年）には加西郡北条町立下里小学校となり、1967年（昭和42年）の市制施行により、加西市立下里小学校として今日に至っています。

1981年（昭和56年）には、現在の場所への校舎移転が行われました。この移転に際して、北校舎、完全給食に対応した給食室が新たに建築され、体育倉庫も完成しました。1985年（昭和60年）には特別棟（南校舎）も新築され、教育環境はより一層充実しました。開校100周年を迎えた1992年（平成4年）には、記念事業や式典が執り行われるとともに、プールも完成しました。近年では、2015年（平成27年）に北校舎の耐震補強と大規模な改修工事が実施され、2022年（令和4年）には現代的な学習に対応するためのSTEAMラボ教室が整備されるなど、時代に応じた教育環境の更新が進められています。

教育目標

下里小学校では、「明日に向かってきらきら瞳輝く子」を学校の教育目標として掲げ、子どもたちが未来に向かって目を輝かせながら成長できるよう、日々の教育活動に取り組んでいます。

通学区域と進路

本校の通学区域は、加西市内の王子町、戸田井町、両月町、大村町、尾崎町、段下町、中西町、琵琶甲町、野条町、牛居町、野田町、東笠原町、西笠原町、三口町、坂本町、倉谷町、新生町といった地域に及びます（ただし、一部、北条東小学校の学区となる区域を除く）。卒業生は、原則として加西市立善防中学校へ進学します。

環境とアクセス

学校周辺の学区内には、進学先である加西市立善防中学校や、加西市立善防園、兵庫県立北条高等学校といった教育関連施設があります。また、北条鉄道の播磨下里駅や法華口駅が近くに位置し、交通の便も比較的良好です。自然や歴史的な見どころとしては、古法華自然公園や一乗寺などがあります。最寄りの駅である北条鉄道播磨下里駅からは、徒歩で約20分程度の距離に学校があります。

加西市立下里小学校は、このように地域の歴史を受け継ぎ、豊かな自然環境の中で、子どもたちの成長を育む学び舎としてその役割を果たし続けています。

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