加西市立善防中学校

兵庫県加西市両月町に学舎を構える加西市立善防中学校は、地域における公立の中等教育機関として重要な役割を担っています。地元では「善中（ぜんちゅう）」の愛称で親しまれています。

沿革

善防中学校の歴史は、昭和49年（1974年）に始まります。地域の教育体制見直しに伴い、それまでの賀茂中学校と下里中学校が統合され、同年4月1日に新たな学校として開校しました。開校に先立つ2月には、現在の校舎が竣工しています。

その後、学校施設の整備が順次進められました。昭和51年（1976年）2月には体育館が完成し、同年11月には学校敷地内に第2健康コースが整備されました。昭和55年（1980年）6月にはプールが竣工し、夏の水泳学習などが可能になりました。同年8月には学校の象徴である校旗に魂が込められました。

さらに、昭和58年（1983年）1月には武道館が完成し、武道教育の場が整えられました。同年3月には学校の精神を歌い継ぐ校歌が制定されています。

平成元年（1989年）11月にはコンピューター教室が設置され、情報教育への対応が始まりました。平成10年（1998年）12月には、創立25周年を記念して、学校の教育理念を示す校訓を刻んだ記念碑が建てられました。平成14年（2002年）8月には学校の公式ホームページが開設され、外部への情報発信が強化されました。

近年では、施設の安全性確保のための耐震補強工事が集中的に行われました。平成22年（2010年）7月には南館および東渡廊下、平成25年（2013年）7月には北館、平成26年（2014年）7月には体育館、そして平成27年（2015年）7月には武道館の耐震化が完了しています。

教育活動においては、美術分野での顕著な実績が見られます。令和2年（2020年）2月には全国教育美術展で教育美術振興会名誉会長賞を受賞し、さらに令和3年（2021年）には第80回全国教育美術展にて教育委員会賞を受賞するなど、高い評価を得ています。また、令和2年（2020年）10月には国のGIGAスクール構想に基づき、生徒一人ひとりにChromebookが配備され、ICTを活用した学習環境が整備されました。

施設概要

善防中学校の校内には、教育活動を支える多様な施設が整っています。主な施設は以下の通りです。

北校舎（北館）: 開校時と同じ昭和49年（1974年）に建てられた鉄筋コンクリート造の3階建て校舎です。学校の中心的な建物であり、延べ床面積は4,127平方メートルを有しています。
南校舎（南館）: 北校舎と同じく昭和49年（1974年）竣工の鉄筋コンクリート造3階建てです。延べ床面積は1,768平方メートルです。
体育館: 昭和51年（1976年）に完成した鉄筋コンクリート造2階建ての建物で、延べ床面積は1,356平方メートルです。大阪市東区のエム・デー建築事務所が設計を手掛けました。
武道館（武道場）: 昭和58年（1983年）竣工の武道に特化した施設です。鉄骨造りの平屋建てで、延べ床面積は370平方メートルです。
プール: 昭和55年（1980年）に完成し、夏季の体育授業や部活動などで利用されています。
校庭: 広大な敷地を有し、体育の授業や部活動、運動会などの学校行事に活用されています。

部活動

生徒たちは、様々な部活動に積極的に参加し、心身の鍛錬や仲間との交流を深めています。主な運動部・文化部活動には、野球部、サッカー部、男子卓球部、陸上競技部、剣道部、女子バスケットボール部、女子バレーボール部、吹奏楽部があります。

学区および進学前小学校

善防中学校の学区は、主に加西市立賀茂小学校と加西市立下里小学校の校区に該当します。

賀茂小学校区に含まれる町名は、福住町、山下町、西横田町、東横田町、鏡岩町、岸呂町、東長町、西長町、東剣坂町、西剣坂町、中山町、大柳町です。

下里小学校区に含まれる町名は、王子町、戸田井町、両月町、大村町、尾崎町（一部）、段下町（一部）、中西町（一部）、琵琶甲町、野条町、牛居町、野田町、東笠原町、西笠原町、三口町、坂本町、倉谷町、新生町です。

アクセス

善防中学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

鉄道: 北条鉄道の播磨下里駅から徒歩でおおよそ14分です。
バス: 神姫バスを利用する場合、「王子町」停留所で下車し、そこから徒歩でおよそ14分です。

周辺環境

学校の周辺には、自然豊かな環境と地域住民に利用される施設が点在しています。近隣には王子皿池親水公園や善防公民館、善防グリーンパークがあり、少し足を延ばせば古法華自然公園など、地域の景観やレクリエーションに利用できる場所があります。

加西市立善防中学校は、これらの教育環境、施設、そして地域との結びつきを通じて、生徒たちの健やかな成長を育んでいます。

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