Chromebook

Google Chromebookとは

Google Chromebookは、Googleが開発したChromeOSを搭載するノートパソコンのシリーズです。ChromeboxやChromebaseは、同じChromeOSを搭載したデスクトップパソコンです。Chromebookは、Webブラウジングを中心に、クラウドベースのアプリケーションを利用することに特化しており、そのシンプルさと使いやすさが特徴です。

OSの特徴

ChromebookのOSであるChromeOSは、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供しています。日本語フォントは、Noto Sans CJK JP（ゴシック体）、モトヤG04明朝（明朝体）、Noto Sans Mono CJK JP（固定幅フォント）が標準で設定されています。ユーザーが新しいフォントをインストールすることはできませんが、あらかじめインストールされているフォントの中から自由に選択できます。ChromeOSには、Stable版、Beta版、Dev版の3つのバージョンがあり、ユーザーは設定から目的や好みに合わせてバージョンを変更できます。

また、企業向けには「Chrome Enterprise」が提供されており、管理コンソールを通じて端末の一括管理が可能です。これにより、学校や企業での導入が容易になっています。

主な機能

Chromebookは、WebアプリやLinuxアプリケーションが動作します。Chromeウェブストアで提供されるアプリや拡張機能は、Webサイトへのショートカットであったり、Chrome固有のAPIを利用したローカル動作するものであったりします。一部のモデルでは、Google PlayストアからAndroidアプリをインストールできます。さらに、Chromeブラウザと同じGoogleアカウントでログインすることで、アプリ、拡張機能、テーマ、自動入力、パスワードなどが同期されます。OSのアップデートはバックグラウンドで自動的に行われ、ユーザーは常に最新の状態で利用できます。

起動や復元が非常に高速である点も特筆すべき点です。新品のChromebookや初期化後の端末でも、数分で元の環境に戻すことが可能です。また、同スペックのWindows PCと比較して動作が軽く、ユーザー側でウイルス対策をする必要がないため、安心して利用できます。Android端末とBluetoothでペアリングすれば、ログイン時にパスワード入力を省略できるSmart Lock機能も搭載されています。

周辺機器との連携

HID準拠のマウスやヘッドセット、USBマスストレージクラス準拠のUSBメモリや外付けHDDなどは、そのまま使用できます。キーボードにはChromeOSに特化したファンクションキーが搭載されています。ただし、プリンターを直接接続することはできません。印刷には、Google Cloud Print対応のプリンターや、ChromeがインストールされたWindows、Mac、Linuxマシンを経由する必要があります。

Wi-Fiや有線ネットワーク接続のプリンターは使用できますが、CUPS（Common Unix Printing System）を利用するため、国内メーカーのプリンターは対応していない場合が多いです。また、Windows用ドライバーが必要な周辺機器や光学ドライブは利用できません。ファイルシステムはGoogleドライブに保存することを前提としており、実際に使用するファイルのみがローカルストレージにキャッシュされます。キャッシュされたファイルはオフラインでも利用できます。Chromecastへのキャスト機能もOSに内蔵されており、Chromeリモートデスクトップのクライアントとして利用できますが、ホストにはなれません。

ビジネスシーンでの活用

Chrome Enterpriseでは、プリンター管理、OSアップデートの制御、盗難防止などの機能が追加され、24時間365日のサポートが提供されています。Microsoft Active Directoryにも対応しており、既存のActive DirectoryのIDを使用して、Windows PCと併せて一元管理することもできます。Chromebookは、このような利便性から、企業での導入事例も増えています。

販売と市場動向

Chromebookは、2011年5月にGoogleがサムスンとエイサーから最初のモデルが提供されると発表し、翌月からアメリカなどで販売が開始されました。日本では2014年に法人ユーザーと教育機関向けに先行販売され、その後一般消費者向けにも販売が開始されました。現在では、世界中で販売されており、多くの国で情報を発信しています。特に教育分野での導入が進んでおり、2021年には公立小中学校での学習用端末として、市場シェアのトップを獲得しました。

主要メーカーと日本での展開

現在、Chromebookを販売している主なメーカーは、Acer、Asus、Dell、HP、Lenovo、Samsungの6社です。日本では、2019年の「GIGAスクール構想」開始やWindows 7のサポート終了を機に注目を集め、販売台数が増加しました。多くの企業が低価格なChromebookを導入するようになり、日系メーカーも一時的に取り扱っていましたが、現在は一部のメーカーを除き販売を終了しています。教育機関向けには、NECやSHARPもChromebookを提供しています。市場調査によると、Chromebookは2台目需要としても顕在化しています。

Chromebookは、軽量で高速な動作、クラウド連携、セキュリティの高さから、多様なニーズに対応できる製品として、今後も成長が期待されます。

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