助祭枢機卿

助祭枢機卿とは

助祭枢機卿（じょさいすうききょう、羅: cardinalis diaconus、英: Cardinal deacon）は、カトリック教会の高位聖職者である枢機卿の位階及び称号の一つです。

概要

枢機卿団の中で、司教枢機卿、司祭枢機卿の下に位置付けられる位階です。もとはローマ教区で働く助祭たちで、教皇のアドバイザーとしての任務を担っていました。

1918年以前には、聖職者でなくても枢機卿団に加わることが可能で、助祭枢機卿は非聖職者に開かれた唯一の位階でした。当時、司祭枢機卿になるには司祭であることが、司教枢機卿には司教であることが求められていました。

1918年以降、助祭枢機卿を含むすべての枢機卿が司祭であることが必須となり、1962年以降は原則司教であることが求められています。そのため、枢機卿に任命を受けた司祭は司教叙階を受けることが求められますが、高齢を理由に司教叙階が免除されることもあります（例：2003年のアヴェリー・デュレス枢機卿）。

1587年、教皇シクストゥス5世は勅令を発して枢機卿団の人数の上限を70名とし、この規定は1958年まで遵守されました。この時、助祭枢機卿の人数は14名と規定されましたが、実際にはそれより多くなっていました。2010年現在、ローマの名義教会で助祭枢機卿の名義に指定されているものは50以上ありますが、実際の助祭枢機卿の人数は30名ほどです。

助祭枢機卿には長い間、10年務めると司祭枢機卿に昇格できるという特権がありました。助祭枢機卿から昇格した司祭枢機卿は特別な地位を占めることが認められていました。この際、司祭枢機卿として必要な名義を得るか、あるいは助祭枢機卿名義の教会が司祭枢機卿名義の教会に昇格させることも行われました。

現代の助祭枢機卿

現代において助祭枢機卿に任命されるのは、教皇庁で働く司祭や、枢機卿任命時に司教でない司祭です。枢機卿任命時に司教職にある者は通常、司祭枢機卿に任命されます。

関連項目

* 枢機卿団

もう一度検索