労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

概要

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法（以下、本法）は、1992年に制定された日本の法令です。法令番号は平成4年法律第90号で、同年の7月2日に公布されました。目的は、労働者が健康で充実した生活を送るため、労働時間の改善や自主的な取り組みを促すことです。

本法は、1992年に成立した「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」（時短促進法）を前身とし、初めは2001年までの有限期間として制定されました。しかし、その後5年間の延長を経て、2006年に名称変更とともに期限のない法律となりました。

法の目的

本法の主な目的は、労働時間や休日、年次有給休暇といった労働条件の改善を図ることです。特に、労働者の健康を保つため、労働時間の超過を抑制し、より良い働き方を確保することにあります。この背景には、総実労働時間が年々増加していたことがあり、労働者の健康と生活の質を向上させることが求められていました。

構成

本法は以下のように構成されています：

• - 第一章 総則（第1条〜第3条の2）
• - 第二章 労働時間等設定改善指針等（第4条〜第5条）
• - 第三章 労働時間等の設定の改善の実施体制の整備等（第6条〜第7条の2）
• - 第四章 労働時間等設定改善実施計画（第8条〜第14条）
• - 附則

国および地方公共団体の役割

本法では、国や地方公共団体も重要な役割を果たします。国は事業主や労働者の自主的な取り組みを尊重しつつ、必要な支援や指導を行い、労働時間の改善に向けた広報活動を積極的に行う必要があります。また、地方公共団体は地域における啓発活動を通じて、労働条件の改善についての理解を深める努力を求められます。

企業の責任

企業は、自主的に労働時間等の設定改善に取り組む責務があります。これには、業務の繁忙に応じた労働者の始業および終業時刻の設定、年次有給休暇の取得促進等が含まれます。また、特に健康に配慮が必要な労働者については、休暇の付与などの対策が求められています。これにより、労働者の健康状態が改善され、生産性が向上することが期待されます。

労働時間等設定改善委員会

企業内で労働時間の改善を推進するため、労働者と経営者からなる労働時間等設定改善委員会の設置が義務付けられています。この委員会は、労働時間に関する改善提案を行ったり、労使間でのコミュニケーションを促進したりします。

結論

労働時間等の設定改善に関する特別措置法は、労働者の健康と充実した生活の実現を目指し、企業や国が一体となって取り組むべき課題として位置づけられています。この法律が実施されることで、より良い労働環境が整備され、日本の国民経済に貢献することが期待されます。

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