労働金庫

労働金庫について

概要

労働金庫、またの名を労金は、日本国内で預金の受け入れや資金の貸し出しを行う協同組織金融機関である。この機関は労働金庫法のもとで設立されており、運営は非営利の協同組織という特性を持っている。主に労働組合や生活協同組合が会員となり、出資を通して会員に対してサービスを提供することを目的としている。

事業内容

労働金庫は、法第5条で定められた目的に基づいて運営されている。まず、営利を目的とした活動は禁止されている。その代わりに、会員に直接奉仕することが主な目的であり、特定の会員の利益のみを追求することは許可されていない。また、政治的中立を保つことも求められている。利用対象は、会員である組合や実際に労働金庫の営業地域に所在、または居住している一般勤労者となる。

当初は会員である組合に属していることが取引条件であったが、次第にその規制は緩和され、今では勤労者が個々に会員登録できるようになっている。預金や為替の取引においては、非会員も利用可能だが、ローンを利用する際には、所属団体の確認が必要となる。財形貯蓄に関しては、勤労者財産形成促進法に基づき、企業に勤務する従業員が口座を開設できるようになっている。

組織構造

日本各地の労働金庫は「全国労働金庫協会」を構成しており、また労働金庫連合会が中央機関としての役割を果たしている。この連合会は、資金決済や内部国際為替制度の運用を担当している。特に近年では、地域単位での広域合併が進められ、労働人口や地域の実情に応じた組織形態が模索されている。ただし、北海道や新潟県など一部地域ではまだ合併が行われていない。

日本労働金庫設立の歴史

過去に何度か全全国労働金庫の統合計画があり、1976年には42金庫の合併が合意に達したが、残りの5庫が反対し、結局は頓挫した。その後も幾度かの統合構想が持ち上がるものの、経済状況の変化に伴い実現には至らなかった。1996年には、全労金協会が策定した経営方針によって、全国統合を目指し地域ごとに金庫を集約する取り組みが始まったが、合併のビジネスモデルが不透明であることを理由に、金融庁から合併の先送りを指導された。このように、労働金庫の全国統合は長い道のりを経て未だ実現していない。

情報処理システム

労働金庫では、NTTデータの勘定系パッケージを用いたシステムを導入しており、全国の労働金庫が統一されたシステムで運用されている。また営業店システムも改修され、独自の取引形態が新システムに組み込まれている。これにより、窓口やATMでの取引がよりスムーズに行えるようになっている。

マスコットキャラクター

労働金庫のマスコットキャラクター「ロッキー」は、1996年に制定され、「ろうきん」と「Lucky」から名付けられた青い鳥のデザインである。全国の労働金庫でこのキャラクターを共通に利用し、親しみやすいイメージを醸成している。

結論

労働金庫は、日本の労働者に対して金融サービスを非営利で提供する大切な機関である。その組織形態や事業の運営方法は、一般の銀行とは異なり、協同組織の原則に則った形で健全な地域経済を支える役割を果たしている。

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