動物衛生研究所

動物衛生研究所: 概要と沿革

動物衛生研究所（National Institute of Animal Health、略称:動衛研）は、日本の公設研究機関です。この機関は獣医学の産業動物分野について、研究開発や研修、さらには鑑定を行う専門機関として機能しています。かつては農林水産省家畜衛生試験場という名称で知られていましたが、現在は国立研究開発法人農研機構の一部門として業務を続けています。

沿革

動物衛生研究所の歴史は古く、1891年（明治24年）に遡ります。その起源は、農商務省農務局に設置された獣疫研究室にあります。この研究室は当初は官制上、農務局畜産課に属しており、1910年（明治43年）には農務局獣疫調査所として昇格しました。このように、長い歴史を経て、同研究所は1921年（大正10年）に獣疫調査所として独立し、東京府北豊島郡に設立されました。

1937年（昭和12年）には、東京府北多摩郡小平村（現・小平市）へ移転。その後、1947年（昭和22年）には家畜衛生試験場と改称され、1979年（昭和54年）には筑波研究学園都市に移転しました。

2001年（平成13年）には独立行政法人へと移行し、現在の動物衛生研究所という名称に改組されました。さらに、2016年（平成28年）には動物衛生研究部門に名称を変更し、役割をより明確にしました。

拠点

動物衛生研究所は茨城県つくば市に本所を構えています。具体的には観音台三丁目1番地5の地点です。しかし、本所以外にも複数の支所や関連施設が存在します。海外病研究施設は東京都小平市にあり、農業の発展や家畜衛生の向上を目指した研究が行われています。

北海道支所は1940年（昭和15年）に開設され、札幌市に位置しています。また、九州支所は1938年（昭和13年）に鹿児島市に設立され、地域の家畜衛生に貢献しています。

過去には東北支所（青森県）や中国支場（兵庫県）、北陸支場（新潟県）、赤穂支場（詳細不明）、鶏病支場（岐阜県）などの施設も存在していましたが、いくつかは廃止されています。これらの拠点は日本国内における家畜の保健や衛生管理の重要な役割を担っていました。

関連項目

動物衛生研究所は、家畜保健衛生所や家畜伝染病予防法など、関連する多くの制度や施設と連携して活動しています。これにより、国内の家畜産業が抱える問題の解決に向けて広範な研究を行い、その成果を普及させることを目指しています。

まとめ

動物衛生研究所は、日本での家畜衛生の確保や、人間と動物の健康の向上に寄与する重要な機関です。独自の歴史と多様な拠点を活かし、今後も日本の農業と畜産業の発展に貢献していくことでしょう。

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