動画 (アニメーション)

動画とは

動画は、セルアニメーションの制作過程において中心的な役割を果たす工程の一つです。特に原画間の動きを滑らかにつなぐ作業であり、一般的には「中割り」とも称されます。英語では「In-Between Animation」と呼ばれ、この作業を専門に行う人を「動画マン」と称します。

動画制作の概要

動画制作の工程では、原画と原画の間に入るフレームを描く作業が行われます。動画マンはこの重要な工程を担当し、通常、原画をスキャンしてトレスを行い、クリンナップ（清書作業）を経て、指示された通りに中割りを描き進めます。ディズニーなどの国際的なアニメーションスタジオでは、動画とクリンナップの作業が分かれて行われる場合が多いのですが、日本のアニメーション制作においては、これらの工程が統一されていることが特徴です。

最近の制作スタイルでは、原画段階で動きやタイミングを決定するのが一般的で、これにより動画マンの創造性を発揮する機会は減少しています。また、新人アニメーターが動画を担当し、経験を積むことで原画や動画検査等に昇格するケースがほとんどです。このような中で、貞本義行氏が動画マンからキャラクターデザイナーへと転職できたのは、極めて特異な事例といえるでしょう。

動画検査における重要性

動画検査、または動検とも呼ばれるこのプロセスは非常に重要です。日本の作画システムでは、分業体制の中で、動画にも管理役割が設けられています。動画にもリテイクや修正が必要な場合があるため、検査作業が導入されているのです。最近では、海外に外注する際にも、この検査の重要性が高まる傾向にあります。動画の品質を維持するためには、外注に出す前に動検を行い、ラフ案や参考資料を用意しておくことが質のおこしにつながります。

海外発注の現状

現在、海外（特に中国や韓国）に制作を委託するケースが増えています。仕上げ作業（彩色）とセットで発注されることが一般的で、自前のスタジオを持たない場合、仲介業者を介して人件費の安い国に依頼する形が多く見受けられます。

海外への動画発注の主な理由は、納期を優先しある程度の質を犠牲にすることで得られる効率性です。場合によっては、十分な期間が与えられれば国内と同等のクオリティを達成することも可能ですが、外注によるタイムロスがデメリットとなりうるため注意が必要です。また、「電送」と呼ばれる方法もあり、これは原画をスキャンし、現地でプリントして動画作業を行う方法ですが、スキャンからプリントの過程でズレが生じることが多く、クオリティを保証するのは難しいのが現実です。電送は特にスケジュールがタイトな状況下で活用されることが多いです。

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