勝坂遺跡

勝坂遺跡（かつさかいせき/かっさかいせき）

勝坂遺跡は、神奈川県相模原市南区磯部に位置する縄文時代中期前半（約5000年前）の大規模集落跡です。この遺跡は、独特な文様を持つ勝坂式土器の名の由来となった、関東地方における代表的な遺跡の一つとして知られています。現在、遺跡は「史跡勝坂遺跡公園」として整備され、一般に公開されています。

概要

勝坂遺跡は1926年（大正15年）に大山柏によって発見されました。発掘調査により、多種多様な土器や打製石斧が出土しています。特に、装飾的な文様や顔面把手（顔を表現した取っ手）を持つ土器は、「勝坂式土器」と命名され、縄文時代中期の土器様式を代表するものとなりました。また、打製石斧は土を掘る道具として使用されたと考えられ、当時の農耕の可能性を示唆するものとして注目を集めました。

1974年（昭和49年）には、集落遺跡の一部である約2ヘクタール（勝坂D区）が国の史跡に指定されました。その後、1980年と1984年に史跡の追加指定が行われ、2006年（平成18年）1月26日には、近接する3,797.61平方メートル（勝坂A区）も史跡として追加指定されています。

遺跡の西側に位置する「有鹿谷」には、有鹿神社の奥宮があります。この谷では、祭祀遺跡である勝坂有鹿谷遺跡も発見されており、古代の祭祀活動との関連も示唆されています。

文化財

国の史跡

勝坂遺跡 - 1974年（昭和49年）7月2日指定。1980年（昭和55年）10月22日、1984年（昭和59年）1月11日、2006年（平成18年）1月26日に史跡範囲が追加指定。

相模原市指定文化財

有形文化財

勝坂遺跡出土縄文時代草創期遺物（考古資料） - 2012年（平成24年）4月1日指定。
勝坂遺跡D区出土のマメ圧痕土器（考古資料） - 2016年（平成28年）4月1日指定。

交通アクセス

鉄道
JR相模線 下溝駅から約1.5キロメートル。
徒歩
下溝駅から徒歩約20分。
バス
バス停「下溝」から「相武台前」行きに乗車し、「上磯部入口」または「勝坂入口」で下車。バス停から徒歩約5分。

外部リンク

勝坂遺跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
* 史跡勝坂遺跡公園（歴史公園）（相模原市公式ホームページ）

勝坂遺跡は、縄文時代の生活や文化を知る上で貴重な遺跡であり、史跡公園として整備されたことで、歴史に触れながら自然を楽しむことができる場所となっています。

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