勝手にシンドバッド

勝手にシンドバッド

『勝手にシンドバッド』（かってにシンドバッド）は、サザンオールスターズのデビュー曲で、1978年6月25日にビクター音楽産業から7インチレコードとして初めて発売されました。この楽曲は、数々のリリースや再発を経て、現在も広く親しまれています。

リリースの経過

本作は、1988年や1998年には8cmCDとして再リリースされ、2003年のデビュー25周年を記念した『「勝手にシンドバッド」胸さわぎのスペシャルボックス』も登場しました。さらに、2005年には12cmCDとして再発売され、近年は2014年からダウンロード配信、2019年にストリーミング配信も開始されています。

楽曲の背景

楽曲のタイトルは、当時のヒット曲である沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンク・レディーの「渚のシンドバッド」を合体させたもので、桑田佳祐自身がバラエティ番組『8時だョ!全員集合』のネタを参考にしたと語っています。桑田は志村けんを偲び、彼なしでは表舞台に出ることもなかったと述べています。

制作秘話

桑田は、楽曲制作の初期段階でアン・ルイスから「お祭りっぽくて好き」と評され、独自のスタイルを確立しました。リズムには16ビートが取り入れられ、一般的な日本の楽曲ではあまり見られない特徴を持つ楽曲として仕上がりました。特に歌詞は、鎌倉から茅ヶ崎に帰る際の風景を描写しており、桑田自身が提案したユニークな表現が注目されました。

チャート成績と受賞

2003年に再発売された際には、オリコン週間ランキングで1位を獲得し、オリジナル盤の最高位3位を超える快挙を達成しました。累計で80.6万枚を販売し、シングルTOP10では13週間の獲得を記録しています。このような成果により、楽曲はサザンオールスターズの代表作となっております。

音楽スタイルとアプローチ

「勝手にシンドバッド」は、ラテン・ロックに影響を受けた楽曲で、覚えやすい歌いだし（ラララから始まる）や、不思議な歌詞が特徴です。桑田は、ドラムサウンドやメロディの組み立てについても工夫を凝らし、放送の際には歌詞テロップも登場しています。このテロップの導入は、楽曲が行った影響の一つと誉められています。

文化的影響と評価

楽曲はリリース当時、コミックバンドとして認識されることも多く、今後の音楽的成長に疑問を持たれることがありましたが、後のヒット曲がその風潮を変えました。桑田の歌詞は小説に例えられ、短い言葉で豊かな情景が描かれています。またジョン・レノンもこの楽曲に感銘を受けたことで知られています。

近年の動向

サザンオールスターズは、今なお多くのファンに支持され続け、昨今のNHK紅白歌合戦でも特別枠でアピールしました。また、新型コロナウイルスによる影響の中で配信ライブを行い、その中で歌詞の一部を社会情勢に合わせた形で歌い変えるなどの取り組みも見せています。

本楽曲は、単なるデビューシングルに留まらず、日本の音楽シーンにおいて重要な存在感を持つ作品として、今も聴かれることを心から願っています。

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