勢水丸

概要

勢水丸（せいすいまる）は、三重大学が所有する練習船であり、大学院生物資源学研究科に所属する海洋調査船です。現在稼働中ののは2代目です。勢水丸は中部地域で唯一の大学に所属した練習船であり、黒潮流域圏における海洋教育や調査の主要な拠点として機能しています。その名称は水産学部の同窓会である勢水会にちなんでおり、投票によって決定されました。

特色としては、勢水丸が2017年に初めて発見した日本の新種貝であるセイスイガイが挙げられます。これは、この船で採取されたものにちなんで名付けられました。さらに、船内にはプランクトンや魚類、イカなどの海洋生物を効率的に採集するための多種多様な装置が備わっており、また海底の貝や泥を採取する装置も完備されています。海洋環境を観察するための各種装置も設置されており、海水や大気の観測、さらには海底地形の調査が可能です。

また、勢水丸は阪神・淡路大震災の教訓を受けて、災害時に役立つ通信手段が確保されています。海洋ブロードバンド通信設備や海水淡水化装置を備え、三重県の危機管理局と通話できる防災無線も設置されています。これにより、緊急時の情報伝達や支援活動が円滑に行えるよう工夫されています。

歴史と沿革

初代勢水丸は1980年7月10日に三菱重工業下関造船所で竣工しました。この初代の船は多くの研修活動や調査に利用され、その後の海洋教育に大きく寄与しました。そして、2008年3月26日に2代目勢水丸の起工が行われ、同年の9月24日に進水しました。初代勢水丸は2008年9月30日に引退し、2代目は2009年1月30日に竣工しました。この新船の揮毫は当時の学長によるもので、船の新たな歴史が刻まれました。

勢水丸は、今後も研究者や学生たちが利用し、海洋資源の探求や環境保護に寄与していくことが期待されています。教育の場だけでなく、海洋における科学研究の最前線としても重要な役割を果たし続けるでしょう。

参考リンク

• - 三重大学
• - 三重大学生物資源学研究科・生物資源学部
• - 船舶の情報と現在位置 - MarineTraffic.com

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