勢至堂トンネル

勢至堂トンネル

福島県須賀川市勢至堂から郡山市湖南町三代に至る勢至堂トンネルは、国道294号を通る全長1,147.0mの道路トンネルです。全幅は6.0（8.5）m、有効高は4.7mとなっています。

建設の背景

建設前、国道294号の勢至堂峠区間は急勾配、急カーブ、狭隘区間が連続する交通の難所でした。この状況を改善し、安全で円滑な交通を確保するため、1988年度に国道改築工事事業としてトンネル建設が計画されました。

工事の概要

1989年2月10日に起工式が行われ、トンネル本体の掘削にはNATM工法（上部半断面先進工法）が採用されました。この工法は、地山の強度を活かしながら安全に掘削を進めることができるため、トンネル建設において広く用いられています。施工は星野組・三柏工業・陰山組特定建設工事共同企業体が担当し、1993年7月30日に貫通、1994年11月28日に開通しました。総工費は29億5100万円となっています。

トンネルの開通とその後

勢至堂トンネルの開通により、勢至堂峠の難所は解消され、車両の通行が大幅に改善されました。旧道は勢至堂集落内を通過していましたが、トンネル開通後は廃道となり、現在は通行不能となっています。

2003年（平成15年）には、勢至堂トンネルの北方にある黒森峠にも新たなトンネルが開通し、福島県南地方と会津地方を結ぶ広域的な交通ネットワークが強化されました。これらのトンネルの整備により、地域間の交流や経済活動の活性化に大きく貢献しています。

勢至堂トンネルは、地域住民の生活を支える重要なインフラとして、今日も利用されています。

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