勢至堂峠

勢至堂峠（せいしどうとうげ）

勢至堂峠は、福島県郡山市と須賀川市の境界に位置する標高723mの峠です。現在は国道294号が勢至堂トンネルを経由して通過しています。

概要

江戸時代には、陸奥国会津若松と白河を結ぶ重要な街道である白河街道がこの峠を経由していました。その後、県道白河若松線、主要地方道白河猪苗代線と指定が変わり、現在は国道294号が勢至堂トンネルを通っています。郡山市側は湖南町三代、須賀川市側は勢至堂に属しています。

峠の南側には、かつて白河街道の宿場町として栄えた勢至堂宿がありました。また、近隣には美しい自然が残る勢至堂渓谷が広がっています。

旧道

現在、旧道は通行止めとなっており、立ち入りが禁止されています。トンネル開通以前はこの旧道が国道として利用されており、ヘアピンカーブが連続する道を通り、峠の切り通しを越えていました。旧道沿いには、殿様清水や太閤道といった史跡が残っています。太閤道は、豊臣秀吉が伊達政宗に命じて作らせたと言われる道で、現在の勢至堂峠の原型にあたります。

現道

1994年7月に勢至堂トンネルが開通し、国道294号はトンネルを経由するようになりました。トンネル開通以前は旧道が利用されていましたが、トンネル開通後、勢至堂集落付近を含めて道路の改良工事が行われました。

道路施設

勢至堂峠付近には、以下の道路施設があります。

東湯口橋
全長：22.5m
幅員：6.0（8.5）m
形式：鋼単純合成鈑桁橋
竣工：2009年度
施工：矢田工業
須賀川市勢至堂字笹畑に位置し、一級水系阿武隈川水系釈迦堂川支流の江花川を渡ります。須賀川市内と勢至堂集落を結ぶ区間の狭隘区間を解消するためのバイパス整備に伴い、国道改築事業として建設されました。総工費は1億500万円です。
光風橋
全長：33.0ｍ
幅員：8.0ｍ
形式：単径間単純合成鋼鈑桁橋
竣工：1986年度
須賀川市勢至堂にて一級水系阿武隈川水系江花川支流の勢至堂沢を渡ります。勢至堂峠改良に伴い1985年度より国道橋梁整備事業として着手されました。勢至堂峠改良工事区間において最後に完成した橋梁です。総工費は9300万円です。
勢至堂大橋
全長：87.0m
主径間：33.8m
幅員：8.0m
形式：3径間連続非合成鋼鈑桁橋
竣工：1984年
須賀川市勢至堂に位置します。勢至堂峠改良事業に伴い1982年度に着工されました。国庫補助事業としては福島県内で初めて耐候性鋼材を裸使用した橋梁です。総事業費は2億2380万円です。
勢至堂トンネル

脚注

勢至堂峠 - コトバンク（2019年7月15日閲覧）

関連項目

東北地方の峠一覧

外部リンク

* 勢至堂峠 - コトバンク

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