勲一等旭日桐花大綬章

勲一等旭日桐花大綬章

勲一等旭日桐花大綬章（くんいっとうきょくじつとうかだいじゅしょう）は、日本における最高位の勲章の一つであり、1888年の制定以来、特に顕著な業績を持つ個人に授与されてきました。この章は、旭日章の最上位として位置付けられ、名誉ある栄典制度の一部を成しています。

制定の背景

日本で最初の勲章である旭日章は1875年に制定され、その後13年を経て、更に上位の勲章である勲一等旭日桐花大綬章が追加されました。この章の制定にまつわる背景には、政治的な競争があったとも言われています。特に山縣有朋が金鵄勲章の制定を進めようとした際、伊藤博文が対抗措置としてこの勲章を推したという説があります。

意匠とデザイン

勲一等旭日桐花大綬章は、その美しいデザインが特長です。赤色の七宝を用いた八条の旭光が基盤となり、周囲には白色の七宝が施されています。光の間には、紫の七宝で彩られた桐の花が繊細に配置されており、華やかさと高貴さを演出しています。章と綬をつなぐ鈕は五七の桐紋を象っており、背面には「勲功旌章」の文字が彫刻されています。

授与基準

この勲章は、優れた功績を有する者に対して、瑞宝章や旭日章の一等の授与よりも優れたものであると認められた者に対して贈られます。このため、特に際立った成果を挙げた個人が対象となります。

外国人に対する授与

勲一等旭日桐花大綬章は、国賓や皇族の公式訪問時に交わされる儀礼的な叙勲で使用されることがあります。特に、顕著な功績があった外国の駐日大使に離任時に贈られることもあり、これも一種の儀礼的な叙勲として捉えられます。2016年には、初代シンガポール首相リー・クアンユーに授与されました。

皇族への叙勲

叙勲の基準が厳格化されたことにより、皇族への叙勲も徐々に変化しました。明治43年に制定された皇族身位令により、新たに叙勲の基準が設けられ、男性皇族には特にこの勲章が授与されることが定められました。具体的には、王が満15歳に達した際に、この勲章が授与されることとなり、現在でもその慣例が引き継がれています。

受章者の実績

大日本帝国憲法下においては、219名が勲一等旭日桐花大綬章を受章し、日本国憲法の施行後にも62名がこの栄誉に預かりました。これらの受章者には、卓越した業績を持つ多くの著名人が含まれます。

まとめ

勲一等旭日桐花大綬章は、日本の栄典制度の中で特に高位に位置する勲章で、高いデザイン性と意義があります。その授与基準や歴史的背景は、日本の文化や政治に深く根ざしたものであり、受章者はその卓越した業績に対する評価を受けています。この勲章の歴史を知ることで、より豊かな日本の伝統を理解することができることでしょう。

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