化学消防車MB-1型

海上自衛隊の化学消防車MB-1型：航空機事故対応の要

化学消防車MB-1型は、海上自衛隊が航空基地に配備している空港用化学消防車です。1963年に東急車輛製造によって初生産されて以来、改良を重ね、現在ではMB-1型改、MB-1型改2（MB-1改B型）が主力として運用されています。これらの消防車は、航空機事故発生時に迅速な消火活動と搭乗員の救出を行う重要な役割を担っています。

主な任務と特徴

MB-1型は、航空機事故における消火活動を主な任務としています。車体には水と消火薬剤を積載しており、これらを混合して強力な放水を行います。放水は、車体上部のターレットと呼ばれる噴射機と、消防隊員が操作するホース（ハンドライン）から行われます。これにより、広範囲かつ迅速な消火活動が可能となり、航空機火災の初期段階での鎮火に大きく貢献します。

2011年には、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故にも出動し、その高い能力と信頼性が実証されました。このように、MB-1型は航空基地のみならず、大規模災害時においても重要な役割を果たしています。

防衛省仕様書の制定と救難消防車の導入

2013年頃には、陸上、海上、航空各自衛隊の共通仕様書として防衛省仕様書が作成されました。これに基づき、海上自衛隊では救難消防車（IA、IB、II型）の取得が進められています。これにより、より高度な救助活動や多様な災害に対応できる体制が強化されています。

最新の消防車導入の動き

2014年以降は、第一実業株式会社が米国オシュコシュ・コーポレーション製のグローバル・ストライカーを輸入し、日本機械工業株式会社が日本仕様に改修して販売しています。これにより、より高性能な消防車が導入され、海上自衛隊の消防能力はさらに向上しています。

MB-1型の諸元

以下にMB-1型とMB-1改B型の主な諸元を示します。

MB-1型 (MB-1型改?)

全長: 10,125mm
全高: 3,400mm
全幅: 2,495mm
乗員: 8名
排気量: 17,900cc
出力: 350ps/2,200rpm
タンク容量: 4,800L（水）、480L（化学剤）
噴射量: 1,050L/min × 2（ターレット部）、150L/min × 2（ハンドライン）

MB-1改B型

全長: 10,980mm
全高: 2,495mm
全幅: 3,400mm
乗員: 8名
排気量: 17,900cc
出力: 350ps/2,200rpm
タンク容量: 4,800L（水）、480L（薬剤）
噴射量: 2,700L/min（ターレット部）、200L/min × 2（ハンドライン）

関連情報

関連項目
空港用化学消防車
破壊機救難消防車 - 航空自衛隊
救難消防車 - 陸上自衛隊
外部リンク
運航隊地上救護班 - 八戸航空基地での訓練の様子


これらの情報から、化学消防車MB-1型は海上自衛隊の航空基地における重要な消防車両であり、長年にわたり改良を重ねながら、航空機事故や災害時の人命救助・消火活動に貢献していることがわかります。

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