北ドイツ連邦

北ドイツ連邦

北ドイツ連邦（Norddeutscher Bund）は、1867年4月26日に設立された、主にプロイセン王国を中心とする22の領邦からなる国家連合です。この連邦は、1871年に成立したドイツ帝国の前身となり、その構造の多くを引き継ぎました。なお、北ドイツ連邦は正式な連邦国家ではなく、各領邦および自由都市の緩やかな結合体として理解されています。

背景と成立過程

北ドイツ連邦の成立には、1866年の普墺戦争が大きく影響しました。この戦争で勝利したプロイセン王国は、オーストリアが主導していたドイツ連邦を解体しました。その後、プロイセンはドイツ北部の諸邦と連携する形で新たな連合を形成しました。この連合は「ドイツ関税同盟」により経済的にも結びついていました。

北ドイツ連邦の組織には、連邦主席と連邦宰相の役職があります。連邦主席はプロイセン国王が兼任し、宣戦、講和、条約締結、さらには陸海軍の指揮権を持っていました。一方、連邦宰相にはプロイセンの首相であるオットー・フォン・ビスマルクが就任し、連邦政府を運営しました。北ドイツ連邦は、プロイセン王国が国土や人口の80%以上を占めていたにもかかわらず、各領邦の主権は保持されないという特徴を持っていました。

ビスマルクは、各邦の鉄道統一を試みましたが、これを実現するにはワイマール憲法が施行されるまで待たなければなりませんでした。バイエルン王国を中心とした南ドイツ諸邦は、プロイセンに対する反発が強かったため、ビスマルクはオーストリアを除外した小ドイツ主義に基づく統一を目指しました。

政治制度

北ドイツ連邦の政府システムは、連邦参議院と連邦議会から構成されていました。連邦参議院は各邦の代表から成り、連邦議会は男子普通選挙によって選出される議員で構成されていました。連邦議会は立法権や予算審議権を有しましたが、実際には内閣が存在せず、連邦主席と宰相の同意がなければ政策を決定することはできませんでした。

北ドイツ連邦の存続期間中、連邦主席をヴィルヘルム1世、連邦宰相をビスマルクが務めていました。彼らのリーダーシップの下、連邦は政治的な安定を保ちつつも、各地域の独自性を残す形で運営されました。

加盟諸邦

北ドイツ連邦には以下のような国家が加盟しました。

• - プロイセン王国
• - ザクセン王国
• - メクレンブルク＝シュヴェリーン大公国
• - その他14の公国や侯国
• - 自由ハンザ都市リューベック、ブレーメン、ハンブルク

北ドイツ連邦に加盟しなかった主要な地域には、バイエルン王国、ヴュルテンベルク王国、バーデン大公国などがあり、これにより南部ドイツとの政治的な緊張が生じました。北ドイツ連邦の影響とその後の動向は、1871年のドイツ帝国成立へと続いていきます。

関連項目

• - 北ドイツ連邦憲法

北ドイツ連邦は、ドイツ史における重要な転換点であり、国家統一への道を切り開く基盤となりました。

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