北上尾駅

北上尾駅：歴史と変遷を辿る

北上尾駅は、埼玉県上尾市原新町に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）高崎線の駅です。駅の開業は、地域住民にとって長年の悲願でしたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

開業までの道のり

北上尾駅の開業は、単なる駅の誕生以上の意味を持っていました。それは、地域住民の熱意と、それに伴う様々な困難を乗り越えた象徴でもあります。駅の誘致は、地域住民だけでなく地元各界を巻き込み、様々な議論を呼びました。特に、駅に隣接する埼玉県立上尾高等学校の移転問題は、大きな波紋を広げました。高校側は当初のテニスコート移転案から全校移転計画に発展したことに強く反発し、反対運動を展開。その結果、駅は当初予定地から20メートル桶川側に移転せざるを得なくなりました。

また、駅建設を巡っては、地元企業と市役所の間で贈収賄事件が発生し、多くの関係者が処分を受ける事態となりました。この影響で、西口は長らく暫定的なロータリーのまま放置されました。しかし、東口の区画整理が進展するにつれて西口も再整備され、2008年にようやく完成しました。

バリアフリー化と駅施設の拡充

開業当初、北上尾駅にはエスカレーターやエレベーターが設置されていませんでしたが、2006年度から上尾市のバリアフリー化事業の一環として、駅舎南側階段をエスカレーター・エレベーターに転換する工事が行われました。工事期間中はホームを仮拡幅するなど、工夫を凝らした工事が行われ、2007年2月3日に使用が開始されました。その後も、東西両側の駅前広場整備に合わせて、駅舎と駅前を結ぶ階段にエスカレーター・エレベーターと公共トイレが増設され、2008年に完成しました。

駅名の変遷と開業

駅名決定までにも紆余曲折がありました。市民からの公募で集まった213件の候補の中から、「北上尾駅」「新上尾駅」「上尾公園駅」の3案に絞り込まれ、最終的に「北上尾駅」に決定しました。1988年12月17日に開業した北上尾駅は、JR民営化後初の請願駅であり、昭和時代最後の新駅開業となりました。

開業後の発展

駅周辺の整備も進み、東口では区画整理事業が行われ、2008年には歩道付き2車線の道路とロータリーを有する新たな駅前広場が開設されました。また、上尾公園跡地には大型ショッピングモール「P･A･P･A上尾ショッピングアヴェニュー」が開業し、駅周辺は大きく変貌しました。

現在の北上尾駅

現在の北上尾駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を有しています。駅構内には、NewDaysミニ北上尾1号店が設置され、通勤・通学客の利便性を高めています。発車メロディには、2010年6月1日より「上尾市歌」が使用され、地域に根ざした駅として親しまれています。

2023年度の1日平均乗車人員は14,207人であり、地域住民にとって欠かせない駅となっています。

隣の駅

JR東日本
高崎線
* 普通：上尾駅 - 北上尾駅 - 桶川駅

北上尾駅は、数々の困難を乗り越え、地域とともに発展してきた駅です。その歴史を知ることで、駅の利用がより一層深いものになるでしょう。

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