北九州国際会議場

福岡県北九州市小倉北区浅野に位置する北九州国際会議場は、国際的なMICE（Meetings, Incentives, Conventions, Exhibitions/Events）開催に対応した施設です。この場所は、北緯33度53分24.4秒、東経130度53分17.5秒にあたります。北九州市が都市の国際競争力強化を目指して整備した「国際コンベンションゾーン」の中核を担う施設として、1990年10月6日にその運用が開始されました。本会議場は、近隣にある西日本総合展示場（見本市会場）や複数の宿泊施設と連携し、機能的に一体となった「コンベンション3点セット」の一角を占めています。この連携により、国内外からの参加者を迎える体制が構築されています。

開設以来、北九州国際会議場は幅広い用途で活用されてきました。単に大規模な国際会議の場としてだけでなく、特定のテーマに関する学術的な研究発表会、専門家向けのセミナー、各種講演会など、多様な集会に対応できる柔軟性を持っています。これにより、様々な分野の知識や情報が集まり、活発な交流が生まれる重要な拠点としての役割を果たしています。

施設内部は、開催されるイベントの規模や性質に応じて最適なスペースを選べるように設計されています。中心的な存在であるメインホールは、585名を収容可能な円形構造の空間です。このホールには、高精細な映像を映し出す200インチのハイビジョンプロジェクターが3台設置されており、PC画面や遠隔操作カメラからの映像をクリアに表示できます。また、国際会議室は、88席分の三重円卓を備えています。特に注目すべきは、メインホールと国際会議室の両方に設置されている4ヶ国語対応の同時通訳装置で、これにより多言語環境下での円滑なコミュニケーションが保証されます。その他にも、36席から108席まで収容可能な6室の中小会議室が用意されており、分科会や小規模な打ち合わせに適しています。さらに、広さ530平方メートルのイベントホールは、展示スペースやレセプション会場、さらには様々なイベントに対応できるフレキシブルな空間として利用されています。

北九州国際会議場の建築デザインは、著名な建築家である磯崎新氏が手掛けました。興味深いことに、この会議場の向かい側、タコマ通りを挟んで位置する西日本総合展示場もまた、磯崎氏の設計によるものです（こちらは1977年5月開設）。これら二つの建物は、デザインの一部に半円形の形状を共通して持ち、互いに対をなすような視覚的な特徴を周辺景観にもたらしています。このような立地とデザインの繋がりは、コンベンションゾーン全体の一体感を高めています。

建物の6階部分には、地球環境問題の解決に向けた政策研究や提言を行う公益財団法人地球環境戦略研究機関（IGES）の北九州事務所が入居しています。これは、国際的な環境問題に関わる機関が、国際交流の拠点である本会議場を活動の場としていることを示しています。

近年、北九州市が推進する統合型リゾート（IR）誘致計画との関連で、北九州国際会議場の将来像について議論が交わされています。北九州市IR推進協議会が推し進めるこの計画において、香港のIR事業者が提出した企画書では、小倉駅北口エリアをIRの候補地とし、既存の北九州国際会議場、西日本総合展示場、ミクニワールドスタジアム北九州などの施設を建て替え、新たに大規模な国際会議場、展示場、アリーナ、ホテル、そしてテーマパークなどを一体的に整備する構想が提案されています。この提案が実現すれば、本会議場は現在の姿から大きく変貌を遂げる可能性があります。

北九州国際会議場の周辺には、コンベンションゾーンを構成する主要な施設として、西日本総合展示場が隣接しています。また、地域の公共交通を担う西鉄バス北九州の浅野自動車営業所も近くに位置しており、バス利用によるアクセスも比較的便利です。

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