北京世界園芸博覧会

2019年中国北京世界園芸博覧会は、2019年4月29日から10月7日までの期間、中国の首都北京にある延慶区にて開催された国際的な博覧会です。これは博覧会国際事務局によって認定されたA1クラスの国際園芸博覧会であり、中国国内で開催されたA1認定博としては、1999年に雲南省昆明で開催された国際園芸博覧会に続く2番目の事例となります。

この大規模なイベントの開催地として北京が承認されたのは、2012年9月11日に開催された第64回国際園芸生産者協会年次総会での決定によるものです。承認から開催までの約7年間、綿密な準備が進められました。

博覧会の幕開けを飾る開会式は、開催に先立つ2019年4月28日、北京世界園芸博覧会舞台芸術センターにて盛大に執り行われました。そして、半年間の会期を終えた後の2019年10月9日夜には、同じく延慶の地で閉会式が実施されました。閉会式には、中国の李克強首相をはじめとする政府要人や各国の指導者らが列席し、博覧会の成功を祝いました。李克強首相は、中国政府と国民を代表して万博の成功に祝意を述べるとともに、開催を支援し参加したすべての国々への感謝の意を表明しました。

博覧会のメイン会場となった北京世界園芸博覧会公園は、北京延慶区延慶鎮内のLisi Guanzhuang村とGujiaying村にまたがる広大な敷地に設けられました。この公園は2016年に整備が始まり、元々この地にあった村の養魚池は73,000平方メートルもの広大なラグーンへと拡張されました。また、その掘削によって生じた大量の土砂は、公園の西側に位置する標高25メートルの天田山として築かれ、景観の一部となりました。

博覧会期間中の来場者のアクセスを円滑にするため、会場周辺には様々な交通支援施設が整備されました。特に、2022年北京冬季オリンピックの関連プロジェクトとしても計画されていたJingli Expresswayの延慶区間（北6環道路に接続）は、2019年1月1日に供用が開始され、ピーク時にはワールドガーデン専用の車線も設定されました。駐車場についても、公園南側にP1からP6、およびBH3といった計7箇所の機能別に分けられた駐車場が整備され、さらに公園北側にはP7駐車場が、やや離れた張山営鎮のJingxin Expressway近くにはP8、そしてP9駐車場も設けられました。P8およびP9駐車場からは、会場までの無料シャトルバスが運行されました。

公共交通機関も強化され、北京公共交通グループは、会場直結の定期バス路線を1本、週末や休日には運行本数を増やしたバス路線を5.5系統、そして観光客向けの特別な路線を4系統運行し、これらは市中心部から万博公園のP3駐車場に直接アクセスできるようになっていました。鉄道に関しては、北京鉄路局との連携により、S2線が週末と休日に増便され、黄土店駅から延慶駅までの郊外列車が17.5往復運行されました。延慶駅からは、来場者をBH3駐車場まで運ぶ無料シャトルラインが運行されました。また、市内の複数の地下鉄駅および関連路線は、博覧会の会期に合わせて運行時間が延長されるなどの対応が取られました。

会場である博覧会公園内には、多岐にわたる展示エリアが設けられました。主要な施設として4つのホールがあり、それぞれがテーマに沿った展示を行いました。その他にも、中国独自の園芸文化を紹介する中国園芸展示エリア、世界各国の園芸技術や造園が見られる国際園芸展示エリアなどがありました。中でも、日本政府（農林水産省、国土交通省）が出展した日本展示館は注目を集めました。「庭屋一如」をテーマに、伝統的な日本庭園と展示館が一体となった美しい空間を創り出し、累計107万人もの来場者を記録しました。この日本展示は「国際屋外出展部門」において大賞を受賞するなど、国内外から高い評価を受けました。これらの主要エリアのほか、マスター展示公園など、様々な趣向を凝らした展示場が来場者を楽しませました。

2019年北京世界園芸博覧会は、緑豊かな環境と最新の園芸技術、そして多様な文化が融合した国際的な祭典として、多くの人々に感動と学びの機会を提供し、成功裏にその幕を閉じました。

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