北京国家水泳センター

北京国家水泳センター（ウォーターキューブ）

北京国家水泳センターは、中国の首都北京に位置する重要な水泳施設です。オリンピック公園の一部として設立され、愛称の「ウォーターキューブ」で広く知られています。この施設は、北京国家体育場「鳥の巣」のすぐ隣に建設され、2008年の北京オリンピックでは水泳競技の主要な会場として使用されました。センターは2003年に着工し、2008年の初頭に完成しました。

建築とデザイン

ウォーターキューブのデザインは、オーストラリアの建築設計事務所PTWによって主導され、さらに中国国内の建築会社やイギリスの技術コンサルタントが協力して進められました。全体的には、水泡の形を模した革新的な空間構造が採用されており、外部の壁と屋根にはETFE膜が使用されています。この膜は軽量で、独特の光を透過する特性があり、夜間は多彩な照明で装飾されます。

この施設は、オリンピック期間中は17,000人を収容可能でしたが、その後は一般のトレーニングやレジャーに向けて改装が進められ、収容人数は6,000人に減少しました。建物の面積は65,000平方メートルにも及び、その物理的な大きさ（177m×177m×31m）は圧巻です。

ウォーターパークへの移行

北京オリンピックが終わった後、ウォーターキューブは2009年に改装されてトレーニングやレジャーに適したウォーターパークとして再オープンしました。この新しい施設は、さまざまな水のアクティビティを楽しむことができる空間として、市民や観光客に愛されています。

アイススポーツ施設への改修

2018年には、ウォーターキューブが「アイスキューブ」として改修され、カーリングシートが設置されました。このカーリング専用のレーンは、簡単に取り外しができ、約20日間で設置可能です。このように、施設は冬季オリンピックにも対応できるように進化しています。

プールの詳細

ウォーターキューブには、メインプールとサブプールの二種類があります。メインプールは、世界水泳連盟に認可されたプールで、50メートルX25メートルのサイズを持ち、10コースが設置されています。水深は3.0メートルで、底に傾斜がないため、安心して競技が行えます。このプールは、実に多くの水泳大会で使用されており、観客席は17,000席が用意されています。サブプールでは、ダイビングやアーティスティックスイミングが楽しめます。

オリンピックでの活躍

2008年の北京オリンピックでは、ウォーターキューブが競泳、飛び込み、アーティスティックスイミングの会場として活躍しました。このプールは水が通常のプールよりも1メートル深く、記録が出やすいことが多くのアスリートに支持されました。また、SPEEDO社の「レーザー・レーサー」という水着が注目を集める中、多くの選手が世界新記録を樹立しました。実際、競泳競技では21種目で新記録が生まれるという快挙がありました。

2022年冬季オリンピック

さらに、2022年の冬季オリンピックでは、アイスキューブがカーリング競技の会場として利用されました。このように、ウォーターキューブは水泳競技だけでなく、様々なスポーツイベントの舞台としても重要な役割を果たしています。

このように、北京国家水泳センターは、オリンピックを通じての歴史と、その後の活用形態によって、単なるスポーツ施設以上の存在となっています。

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