北京国家体育場

北京国家体育場



北京国家体育場(ペキンこっかたいいくじょう)は、中華人民共和国の首都である北京にある陸上競技場で、中国最大級のスタジアムとして知られています。このスタジアムは2008年と2022年のオリンピックのメイン会場としても使用され、愛称は「鳥の巣」として親しまれています。その独特なデザインにより、国内外で多くの観客を集める場となっています。

概要



このスタジアムの建設は2002年に始まりました。中国政府が国際的な建築設計コンペを開催し、スイスの建築家ユニットであるヘルツォーク&ド・ムーロンが選ばれました。構造設計はアラップ社が担当し、中国側では中国建築設計研究院の主任設計者である李興鋼氏と著名な現代美術家の艾未未氏が関与しました。その結果、独特のフォルムが生まれ、「鳥の巣」という愛称が付けられました。

スタジアムの大きさは330メートル×220メートル、高さは69.2メートルで、その規模の大きさを感じさせます。建設には総工費が約35億元かかり、オリンピック開催時には91,000人を収容できる記録的なキャパシティを誇っていましたが、その後は改修されて80,000席に減少しました。

建設の経緯



2003年12月24日に鍬入れ式が行われ、2004年の3月には工事が本格的にスタートしました。しかし、2004年5月にはシャルル・ド・ゴール国際空港第2ターミナルビルでの屋根崩落事故が発生したため、安全性に配慮し再設計が必要となりました。それでも、2008年3月に無事完成を迎えました。スタジアムは、北京市北部のオリンピック公園内に位置し、隣接して北京国家水泳センターや北京国家体育館も建設されています。

本来、2007年に完成する予定でしたが、工事は延期され、最終的には2008年4月に完成しました。北京オリンピックでは開会式や陸上競技、サッカー男子決勝、閉会式などで利用され、その重要性を示しました。

イベントの実績



オリンピック閉幕後も、北京国家体育場はさまざまなイベントに使用されました。2009年から2011年までの間に、スーペルコッパ・イタリアーナやレース・オブ・チャンピオンズなどの国際的なスポーツイベントが開催されました。また、陸川総監督による大型ショー「鳥巣・吸引」や、2015年の世界陸上競技選手権大会もこのスタジアムの舞台となりました。

音楽イベントとしても多くの実績があります。2009年にはジャッキー・チェンが出演した収録や、2011年に開催されたロックレコード30周年コンサート、2012年には著名なミュージシャンが参加したイベントが行われました。特に2013年には韓国のSMエンターテインメントによる「SMTOWN LIVE WORLD TOUR」が初めて開催されるなど、国際的な交流の場ともなっています。また、2021年には共産党成立100周年を記念する文芸イベントも行われ、さらには2022年の冬季オリンピックでも再び開・閉会式の会場として利用されています。

北京国家体育場は、陸上競技のみならず、さまざまなスポーツや文化イベントの舞台を提供し続けており、その重要性と影響力は今もなお健在です。

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