北出卓也

北出 卓也（きたで たくや）

北出 卓也（きたで たくや）は、1992年9月14日に京都府京都市に生を受けた日本のラグビーユニオン選手です。主にフッカー（HO）のポジションでプレーしており、現在はジャパンラグビーリーグワンのコベルコ神戸スティーラーズに所属しています。身長180センチメートル、体重102キログラムという恵まれた体格を活かし、グラウンド上で重要な役割を担っています。

ラグビーとの出会いは幼少期の3歳の時でした。親御さんに連れられて楕円球に触れ始めたのが、その後の輝かしいキャリアの始まりです。高校は、数々の名選手を輩出してきた大阪のラグビー強豪校、東海大学付属仰星高等学校に進学。ここでは早くから頭角を現し、高校日本代表にも選出されるなど、将来を嘱望される存在となりました。

高校卒業後、2011年に東海大学へ進学。大学ラグビーの舞台でも中心選手として活躍し、U20日本代表候補にも選出されるなど、世代を代表するプレーヤーの一人として注目を集めました。また、チームの中心的な存在として、2014年にはフォワード陣をまとめるリーダーを務めるなど、プレーだけでなくリーダーシップも発揮しました。

大学での4年間を終え、2015年に卒業。当時のジャパンラグビートップリーグに所属していたサントリーサンゴリアス（現・東京サントリーサンゴリアス）に加入し、プロキャリアをスタートさせました。サントリーの一員として迎えた2015年11月13日のトップリーグ開幕戦、パナソニックワイルドナイツ戦に途中出場し、これが公式戦での記念すべきデビューとなりました。

国際舞台での経験も積んでいます。2019年5月には、スーパーラグビーに参加していた日本のチーム、サンウルブズに追加メンバーとして招集され、世界トップレベルのプレーヤーたちと対峙する機会を得ました。そして、ラグビー日本代表としても重要なキャリアを築きました。自国開催となったラグビーワールドカップ2019を控えた同年8月、日本代表スコッドの一員に選出されます。ワールドカップ本大会への出場は叶いませんでしたが、大会直前の同年9月6日に行われたリポビタンDチャレンジカップ2019、南アフリカ代表とのテストマッチに途中出場し、念願の日本代表初キャップを獲得しました。この時点での日本代表キャップ数は「1」となっています。

サントリーサンゴリアスでの活躍を経て、2022年にはコベルコ神戸スティーラーズへの移籍を選択しました。新しいチーム環境で、フッカーとしてスクラム最前線での力強いプレー、ブレイクダウンでの献身的な働きなど、チームの勝利に貢献すべく日々奮闘しています。ジャパンラグビーリーグワンの舞台で、その経験と実力を遺憾なく発揮しています。

プレースタイルとしては、フッカーとして求められる高いコンタクト能力と判断力が光ります。スクラムの核としてチームを支え、フィールドプレーにおいてもパワフルな動きでゲインラインに貢献します。チームメイトからは「きたで」や「でーやん」といった愛称で親しまれており、その人柄がうかがえます。

ラグビーグラウンド外でのユニークなエピソードもあります。日本代表に招集されていた際、自身が考案したという「北出丼」なるオリジナル丼ぶりが、チーム内で密かに流行したという逸話が伝えられています。これは、選手たちの結束を高めるユーモラスな一面を示すエピソードと言えるでしょう。

京都でラグビーを始め、世代別代表や高校日本代表、さらには日本代表としてワールドカップを経験するなど、段階を着実に登ってきた北出卓也選手。今後も日本のラグビー界において、タフなフッカーとしてどのような活躍を見せてくれるのか、注目が集まります。

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