北区立赤羽台中学校

北区立赤羽台中学校

北区立赤羽台中学校（きたくりつあかばねだいちゅうがっこう）は、かつて東京都北区赤羽台に位置していた公立中学校です。この学校が建設された場所は、戦後、アメリカ軍の東京兵器補給廠（TOD）が返還された広大な跡地の一部でした。こうした歴史的な背景を持つ土地に設立された赤羽台中学校は、長年にわたり地域の生徒たちに教育を提供してきました。

しかし、少子化などの社会情勢の変化に伴う学校再編の流れの中で、赤羽台中学校はその歴史に一つの区切りを迎えることになります。平成18年（2006年）、赤羽台中学校は近隣にあった北区立北中学校と統合されました。この統合により、新たな中学校として北区立桐ヶ丘中学校が誕生し、赤羽台中学校という名称は姿を消しました。

統合後、旧赤羽台中学校の校舎は、すぐに閉鎖されたわけではありませんでした。新設された桐ヶ丘中学校は、当初は旧北中学校の敷地に新しい校舎を建設する計画を進めており、その建築期間中、旧赤羽台中学校の施設が桐ヶ丘中学校の仮校舎として利用されました。これは、生徒たちが新しい校舎が完成するまでの間、円滑に教育活動を継続するための措置でした。

仮校舎としての役割を終えた後、旧赤羽台中学校の広大な敷地の将来が検討されました。その結果、この土地は学校法人東洋大学に売却されることが決定します。この売却により、かつての学び舎の跡地は、新たな教育・研究の拠点として生まれ変わることになりました。

売却後の敷地は、すぐに東洋大学のキャンパスとして整備されたわけではなく、一時的な利用が続きました。平成23年（2011年）から約4年間は、東洋大学の系列校である京北中学校・高等学校や、当時存続していた京北学園白山高等学校（後に閉校）の仮校舎として利用されました。これらの学校が施設の改修や移転を行う間の代替として、赤羽台中学校跡地が活用されたのです。

数年間の仮校舎としての利用期間を経て、敷地は本格的な大学キャンパスとして整備が進められました。そして、平成29年（2017年）には、東洋大学赤羽台キャンパスとして正式に開設されました。この新しいキャンパスには、情報連携学部をはじめとする学部が設置され、現代社会のニーズに応じた教育・研究が行われています。かつて生徒たちの活気あふれる学び舎だった場所は、形を変え、大学のキャンパスとして未来を担う人材育成の場となっています。

旧赤羽台中学校があった場所は、現在の東洋大学赤羽台キャンパスと同じく、東京都北区赤羽台1丁目7番12号に位置します。公共交通機関でのアクセスも便利で、JR京浜東北線の赤羽駅（西口）からは徒歩約7分、駅西口のバス停からも徒歩約7分程度です。また、地下鉄南北線の赤羽岩淵駅からもアクセス可能です。

このように、北区立赤羽台中学校は、その短い歴史の中で地域の教育に貢献し、統合を経て姿を消した後も、その跡地は仮校舎利用、そして最終的には東洋大学のキャンパスとして活用されるという変遷をたどっています。かつての学校の記憶は、この新しい学びの場で今も息づいていると言えるでしょう。

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