北原照久

北原照久氏：ブリキのおもちゃコレクターから多方面で活躍する実業家へ

北原照久氏は、1948年生まれの日本の玩具コレクターであり、株式会社トーイズ、株式会社トイズプランニングの代表取締役を務める実業家です。幼少期から培われた収集への情熱と、大学時代の海外留学経験が、彼の人生を大きく彩る転機となりました。

戦後からコレクションへの道

東京都中央区京橋出身の北原氏は、複雑な生い立ちの中で、持ち前の優しさや誠実さを育みました。青山学院大学経済学部卒業後、オーストリアへのスキー留学で出会った、古き良きものを大切にする文化に触発され、時計やポスターなどの収集を始めます。

転機は、知人の家で目にしたブリキのおもちゃとの出会いでした。その魅力に心を奪われた北原氏は、帰国後、地方の玩具店などを巡り、精力的にブリキのおもちゃの収集を始めます。彼の情熱はマスコミの注目を集め、やがて世界的なブリキのおもちゃコレクターとしての地位を確立しました。

博物館設立とコレクションの公開

収集活動を通して培われた知識と経験は、多くの人の共有という新たな目標へと彼を導きます。1986年4月、横浜山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館。その後も、羽田空港、河口湖、宮城県松島町など、複数拠点でコレクションを常設展示するなど、その活動は拡大を続けました。

彼の情熱は日本国内にとどまりません。フロリダ州ディズニーワールドや香港でもイベントを開催し、世界中の人々に日本のブリキのおもちゃの魅力を伝えています。

テレビ出演と著書

北原氏は、テレビ東京「開運！なんでも鑑定団」に鑑定士としてレギュラー出演し、番組の人気向上に大きく貢献しています。長寿番組である「開運！なんでも鑑定団」は、2013年に放送1000回を達成。初回から出演している北原氏の存在は、番組の顔と言えるでしょう。

さらに、数々のテレビ番組やラジオ番組にも出演し、その幅広い知識と軽妙な語り口で視聴者・聴取者を魅了しています。また、著書も多数出版しており、ブリキのおもちゃに関する専門書から、人生観やビジネスに関する書籍まで、多岐に渡るテーマで読者を楽しませています。

多方面での活躍と受賞歴

北原氏は、コレクターとしての活動に加え、様々な分野で活躍しています。2007年には「ベストジーニスト」を受賞、2007年度には横浜文化賞を受賞するなど、その功績は高く評価されています。また、よこはま教師塾塾長やテレビ東京放送番組審議会委員なども歴任し、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。さらに、日本おもちゃ大賞審査委員長、東京2020オリンピック・パラリンピックマスコット審査会委員など、多くの要職を歴任しています。

ピクサーのジョン・ラセター監督が、自身の作品「ティン・トイ」の着想を得た際に北原氏の著書からインスピレーションを受けたというエピソードは、北原氏の影響力の大きさを示す象徴的な出来事です。

趣味と私生活

多忙な日々を送る北原氏ですが、ブリキのおもちゃ以外にも、広告ポスター、時計、ラジオ、雑誌など、幅広い分野のコレクションを楽しんでいます。50代から始めたウクレレやエレキギター、ダイビング、サーフィン、56歳からのゴルフなど、趣味の幅も広く、充実した私生活を送っている様子がうかがえます。

まとめ

北原照久氏は、単なるコレクターではなく、日本の文化を世界に発信する存在です。その情熱と行動力は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。彼の今後の活躍にも注目していきたいところです。

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