北向地蔵 (藤沢市)

北向地蔵の紹介

北向地蔵（きたむきじぞう）は、神奈川県藤沢市藤沢三丁目にて厚木街道に面して安置されている地蔵菩薩像です。この地蔵は、地域住民にとって大切な信仰の対象であり、古くからの歴史を持つ文化遺産でもあります。

位置情報とアクセス

北向地蔵は、藤沢市内の旧・藤沢宿の西側、国道467号（旧・東海道）から白旗交差点を北に進む八王子道へ入ってすぐの場所にあります。そこから少し西へ曲がった先、藤沢三丁目2番16号付近の三叉路の東南側に地蔵像が安置されています。この地蔵の近くには、江戸時代には常光寺の末寺であった壁土山地蔵堂が存在していたことも知られています。

本尊の特徴

北向地蔵の本尊は、享保10年（1725年）に造られた高さ90センチメートルの石造の地蔵立像です。地蔵は右手に錫杖を、左手には宝珠を持ち、その姿は地域に住む人々の信仰を象徴しています。台座の正面には「地蔵菩薩奉造立」と刻まれており、左側面には「為両親菩提　乃至法界　平等利益」、右側面には「享保十乙巳　八月廿四日」との文字がそれぞれ刻まれています。これらの文字は、地蔵がどのような経緯で造られたのか、また、その目的を示しています。

信仰の背景

地蔵菩薩は、特に子供や亡者の守護を願う存在として広く信仰されています。北向地蔵も、地域住民の願いを受け止め、安らぎを与える存在であり続けています。地蔵を訪れる人々は、心を込めて手を合わせ、日々の生活における安寧や健康、さらには家族の幸せを祈ります。

交通アクセス

北向地蔵へのアクセスは非常に便利で、藤沢本町駅（小田急電鉄江ノ島線）から徒歩わずか2分という好立地に位置しています。このため、訪れる人々にとってもアクセスが容易であり、多くの人々が散歩や観光の途中で立ち寄るスポットとなっています。

参考文献

この地蔵に関する情報を詳しく知りたい方は、以下の文献を参考にしてください。

• - 神谷敏夫　「北向地蔵尊」『わが住む里　第三十九号』藤沢市総合市民図書館、昭和63年（1988年）。
• - 湯山学　「藤沢宿坂戸町壁土山地蔵堂考-本町三丁目北向き地蔵の由来-」『藤沢市史研究　第35号』、藤沢市文書館、2002年。
• - 中島淳一『湘南のお地蔵さま』、江ノ電沿線新聞社、2017年。

北向地蔵を訪れることで、地域に根付いた歴史と文化を再確認し、心を静める貴重な時間を過ごすことができるでしょう。

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