北川進

北川進の研究と業績

北川進（きたがわ すすむ）は、1951年に生まれた日本の無機化学者である。京都大学で工学の博士号を取得し、現在は同大学の物質-細胞統合システム拠点（iCeMS）の拠点長として、特別教授を務めている。

教育とキャリア

彼は1974年に京都大学工学部石油化学科を卒業し、続いて1979年に同大学院工学研究科博士課程を修了した。その後、近畿大学で助手、講師、助教授として教鞭を執り、1992年からは東京都立大学理学部の教授として活動した。1998年には再び京都大学に転任し、大学院工学研究科教授を務め、多くの学生を指導してきた。

2007年からは京都大学物質-細胞統合システム拠点の副拠点長に就任し、2013年からは拠点長としての役割を果たしている。その間にも、工学研究科の教授として、さまざまな研究活動を行ってきた。

研究内容

北川氏の主な研究対象は、有機物と金属を組み合わせた多孔性材料である「配位高分子」である。これは特に、マイクロ孔を持ち、優れた吸着特性を持つ金属錯体の合成と機能の発現に関するものである。この多孔性金属錯体（PCP）は、温暖化ガスである二酸化炭素を効率的に吸着する特性があり、環境問題の解決に寄与する可能性が注目されている。

受賞歴と学術的貢献

北川氏はその研究成果により多くの賞を受賞している。2002年には日本化学会学術賞、2007年には日本錯体化学会賞、さらに2009年には再び日本化学会賞を受賞した。また、ドイツのフンボルト賞や、世界的な評価を受けるトムソン・ロイター引用栄誉賞も受賞している。

さらに、彼は紫綬褒章を2011年に受け、2013年にはRSCド・ジェンヌ賞や江崎玲於奈賞も受賞している。2016年には日本学士院賞や米国化学会バソロ賞も受賞し、幅広い国際的な評価を得ていることが分かる。

近年では、2019年にフランス化学会グランプリやエマニュエル・メルクレクチャーシップ賞を受賞し、科学界における存在感を強めている。

アカデミー会員

北川氏は2019年に日本学士院の会員に選ばれ、2023年には王立協会の外国人会員にもなっている。

結論

北川進氏は、その研究活動を通じて多くの貢献をしてきた日本の無機化学者であり、配位高分子の研究は彼の代表的な業績である。彼の成果は、今後の科学技術の発展にも大きく寄与することが期待されている。

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