北斗の拳 (セガ・マークIII)

セガ・マークIII版『北斗の拳』：伝説のアクションゲームを徹底解剖

『北斗の拳』（ほくとのけん）は、1986年7月20日にセガから発売されたセガ・マークIII用のアクションゲームです。大人気漫画『北斗の拳』を原作としており、当時、原作ファンのみならず多くのアクションゲームファンを魅了しました。今回は、このゲームの魅力に迫ります。

ゲーム概要

プレイヤーは主人公ケンシロウとなり、ヒロインであるユリアを救出するため、ザコ敵や強敵たちを倒しながらステージを進んでいきます。ゲームは横スクロールアクションで進行し、各ステージの最後にはボスキャラクターが待ち構えています。特徴的なのは、ステージの途中に中ボスも登場する点と、ステージボス戦が対戦格闘ゲームのような形式で展開される点です。ボス戦では、各ボス専用の背景画像が用意され、スクロールのない一画面で一騎打ちを行います。また、ボス戦ではキャラクターの表示が大きくなり、迫力あるバトルを楽しむことができました。

ゲームシステムの特徴

本作は、当時流行した裏技も搭載されており、特定の操作を行うことでケンシロウが無敵状態になるなどの効果が得られました。これらの裏技の一部は、当時のセガのテレホンサービスで公開されていました。パッケージにはレイが描かれていますが、残念ながらゲーム本編には登場しません。

ゲームシステム自体は、本作以前にセガが発売した『青春スキャンダル』の進化形とも言えます。右スクロールのみで、次々と現れる多数の敵を倒しながら進む通常ステージや、ステージ最後にボスと一騎打ちをするボス戦など、『青春スキャンダル』の要素が色濃く反映されています。

ステージボスを倒す際には、北斗神拳の奥義によるフィニッシュシーンが用意されています。例えば、ステージ1のシン戦では、北斗百裂拳の猛烈な乱打が表現されており、ファミコン版では表現しきれなかった演出を、セガ・マークIII版は見事に実現しました。

海外版『Black Belt』

海外版は、版権の都合から『Black Belt』というタイトルで発売されました。ゲーム内容はほぼ同一ですが、ケンシロウはRIKIという名のオリジナルキャラクターに変更され、ヒロインのユリアはKYOKO、敵キャラクターもカンフー映画やニンジャ映画風のオリジナルキャラクターに変更されています。また、背景やBGMも一部変更されています。

ステージ構成

ゲームは複数のステージで構成されており、各ステージには個性的な中ボスやボスが登場します。

サザンクロスタウン
中ボス：スペード、ダイヤ、クラブ、ハート
ボス：シン（北斗百裂拳）
ゴッドランド
中ボス：親衛隊長、マッド軍曹
ボス：カーネル（北斗壊骨拳）
デビルリバース
中ボス：フォックス
ボス：デビル（北斗七死星点）
カサンドラ伝説
中ボス：ウイグル獄長、拳王親衛隊
ボス：トキ（トキより“柔の拳”を伝授される）
聖帝十字陵
中ボス：火炎放射隊
ボス：サウザー（北斗有情拳）
拳王ラオウ
ボス：ラオウ
隠しステージ
* 各ステージのボスとの連戦

移植版

本作は、PlayStation 2やWiiにも移植されています。PlayStation 2版は、フルポリゴン化やモーションキャプチャの採用、声優の起用など、大幅なリニューアルが施されています。Wii版は、バーチャルコンソールで配信されました。

まとめ

セガ・マークIII版『北斗の拳』は、原作の世界観を忠実に再現しつつ、アクションゲームとしての完成度も高い作品です。当時を知るファンはもちろん、アクションゲーム好きなら一度はプレイしてほしい名作と言えるでしょう。

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