北斗神拳

北斗神拳

『北斗の拳』に登場する北斗神拳は、2000年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳であり、その強さから「地上最強の拳」と称されています。ここでは、その概要、歴史、掟、分派について解説します。

概要

北斗神拳は、中国拳法の一種とされ、一子相伝の暗殺拳としてその名を馳せています。2000年間、他門に敗れたことはないとされ、戦いの中で奥義を見出し、常に進化を続ける点から「地上最強の拳」、「闘神の化身」と呼ばれています。極限の怒りと哀しみを真髄とし、哀しみを背負う者のみが究極奥義を極められるとされます。その源流は「北斗宗家の拳」にあります。

陰陽でいうと、直接的な破壊を重視する「陽」の南斗聖拳に対し、北斗神拳は「陰」の拳法にあたります。

その極意は、独特の呼吸法によって潜在能力を100%引き出し、全エネルギー（闘気）で敵の経絡秘孔を指や拳、足で突くことにあります。経絡秘孔は全身に708あり、優しく押せば治癒力を活発化させ、深く突けば細胞を破壊します。つまり、北斗神拳は身体を内部から破壊する拳法なのです。しかし、人体の潜在能力を引き出すため、物理的な破壊力も絶大であり、外部からの破壊を前提とした技も存在します。

医学的な応用も可能であり、伝承者は医学として活用することも考えていました。また、北斗神拳で伝えられる秘孔は網羅されたものではなく、伝承者以外にも研究されています。

北斗神拳の究極は「愛」であり、「悪」である北斗琉拳とは対照的です。伝承者には、北斗琉拳の一族に対し「愛を説く」ことが伝えられています。

歴史

北斗神拳の成立は後漢時代に遡ります。西方の仏教徒たちが乱世を生き抜くために編み出した秘拳が起源です。創始者は北斗宗家のシュケンであり、発祥地は洛陽の白馬寺です。

白馬寺は北斗宗家の本部であり、中国で最初に仏教を伝えた寺院です。北斗宗家は次世代の権力者を守護することで仏教の庇護を得ようと考え、暗殺拳「北斗宗家の拳」を完成させました。しかし、完璧な受け技の完成により、同門同士では無敵ではなくなってしまいます。

そこで、シュケンは｢西斗月拳｣の門弟となり秘孔の術を学び、｢北斗宗家の拳｣をベースに｢西斗月拳｣の技を取り入れ、地上最強の暗殺拳「北斗神拳」を完成させました。

シュケンによって完成された｢北斗神拳｣は一子相伝の暗殺拳として伝えられることになり、三国時代には3人の英雄にそれぞれ伝承者候補を付けることとしました。

こうして天下は巡り、｢北斗神拳｣は伝承されていきましたが、ある時代「劉家」の伝承者が日本に渡り、｢北斗神拳｣の正統な嫡流は日本で伝承されることとなりました。

『蒼天の拳』では、日本の｢北斗神拳｣の伝承者と中国の｢北斗劉家拳｣の伝承者と闘い、その勝者こそが正統な｢北斗神拳伝承者｣として認められる儀式｢天授の儀｣が登場します。

その秘拳は太平の世には忌避され、20世紀には伝説として語られるのみとなりました。

北斗の掟

北斗神拳は、一子相伝であり、伝承者のみが次代に伝えることができます。伝承者候補は、奥義を教えられた後に争い、「心技体」に優れた者が選ばれます。伝承者争いに敗れた者は、拳を封じて隠居するか、拳を破壊されます。

南斗聖拳とは表裏一体であり、争いを禁じられていましたが、物語が進むにつれて形骸化していきます。

分派・派生流派

北斗神拳は一子相伝のため、南斗聖拳のような多数の流派は存在しません。ただし、三国時代に北斗神拳より分離した「北斗三家」の拳が存在します。それぞれ北斗曹家拳、北斗孫家拳、北斗劉家拳です。

北斗神拳の奥義は代々の伝承者が独自に編み出したものであり、系統だった技は見られません。伝承者から伝承者へ技としての奥義が伝えられることはまれで、「心構え」を伝えるにとどまっています。

北斗三家拳

北斗孫家拳
北斗曹家拳
五叉門党（曹家拳の門弟たちの一派）
北斗劉家拳
北斗琉拳
極十字聖拳

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