北方貨物線

北方貨物線の概要

北方貨物線（ほっぽうかもつせん）は、大阪府吹田市から兵庫県尼崎市に至る貨物専用の鉄道路線です。大阪府吹田市の吹田貨物ターミナル駅を起点とし、大阪市淀川区を通って尼崎駅への一連のルートを持ちます。この路線は、東海道本線の支線として1918年に開業し、主に貨物列車の運行に特化しています。

開業の背景

この貨物線が開業した背景には、大阪駅の建設に伴う交通の混雑解消がありました。東海道本線の旅客線は繁華街の梅田を避けるために大きく南方に迂回しなければならず、そのため貨物運送の効率が損なわれていました。そこで、梅田を経由せずとも京都と神戸を結ぶために北方貨物線が設けられました。これにより、貨物列車が大阪駅を経由することなく効率的に輸送ができるようになり、塚本信号場を利用して大阪駅方面へも直通運転することが可能となりました。

路線データ

北方貨物線の営業距離は吹田貨物ターミナル駅から尼崎駅までの12.2kmで、すべての区間が複線化され、直流1500Vによる電化が施されています。また、全線に自動閉塞式の閉塞方式が採用され、運転指令所は大阪総合指令所が担当しています。このため分類、り専門的に貨物専用という特徴があります。

沿線の特徴

運行は主に貨物列車が中心で、特に下りでは多くの本数が運転されています。下り列車は日によって変動がありますが、一般的に45本、上り列車は48本程度運行されています。これらの列車のほとんどがコンテナ車で構成されており、旅客列車の運行は行われていません。過去には特急列車が深夜の時間帯に北方貨物線を通過したこともありましたが、現在は定期運行はありません。

鉄道の歴史

北方貨物線の歴史は1918年にさかのぼります。当初は吹田駅から宮原聯絡所、そして神崎駅（現在の尼崎駅）までが開通しました。1925年には複線化が進み、他の信号場の廃止や名称の変更も行われ、1942年には主要な信号場も廃止されました。1958年に全線が電化され、1987年の国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道と日本貨物鉄道の管轄となりました。その後も路線の改良や組織の改編が続いており、2012年には本線からの分岐駅が変更されています。

まとめ

北方貨物線は、都市間の貨物輸送において重要な役割を果さす路線です。多くの貨物列車が日々運行されており、小口物流や大規模物流においても重要な拠点となっています。貨物専用のこの路線は、効率的な輸送が実現されている一方で、旅客列車の運行は行われない特異な存在ともなっています。

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