北村年子

北村年子の人物像

北村年子（きたむら としこ）は、滋賀県に生まれ、京都府で育ちました。日本ジャーナリスト専門学校を卒業後、文芸誌や女性誌の編集者としてキャリアをスタートさせ、その後フリーランスのジャーナリストとして独立しました。

ジャーナリストとしての初期には、『ポップティーン』などの雑誌に記事を執筆。10代の少女たちへの取材を基にしたインタビュー集『少女宣言』（1987年）は、社会に大きな反響を呼び、鶴見俊輔からも高い評価を受けました。

1989年からはTBSラジオの深夜番組『スーパーギャング』でパーソナリティを務め、「ネンコさん」の愛称で親しまれました。番組内では、リスナーからの電話相談に応じる「ティーンズダイヤル」というコーナーを担当し、中高生の悩みや疑問に寄り添いました。この番組からミニコミ誌『ろばみみ通信』が創刊され、書籍『ホントの自分を言っちゃおう 真夜中の伝言』も刊行されました。

社会問題への取り組み

1990年代には、大阪・釜ヶ崎での越冬活動をきっかけに、ホームレス問題への関与を深めました。各地でホームレスの人々への支援活動を行う傍ら、若者によるホームレス襲撃事件を取材。1997年にはルポ『大阪・道頓堀川「ホームレス」襲撃事件』を出版し、弱者への暴力の連鎖を断つ必要性を訴えました。

2008年には、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」を立ち上げ、共同代表に就任。子どもたちがホームレス問題を理解するための教育プログラムの開発に取り組み、小中学校や大学などで授業を実施しています。教材用DVD映画『「ホームレス」と出会う子どもたち』は、教育現場で広く活用されています。

子育て支援と自己尊重トレーニング

北村年子は、自身の出産と子育ての経験から、母親向けの連続講座や虐待防止プログラム、子育て支援活動にも力を入れています。特に、親や子どもの自尊感情を育むための「自己尊重トレーニング」のトレーナーとして、講演やワークショップ、サポーター養成に尽力しています。

受賞歴とメディア出演

2010年には、女性や社会的弱者の視点に立った人権活動が評価され、第6回やよりジャーナリスト賞を受賞しました。

ラジオパーソナリティとしては、TBSラジオ『スーパーギャング』のほか、FMヨコハマで『あなたにあえてよかった』や『おはよう！ネンコさん』などの番組を担当しました。

著書一覧

北村年子は、以下の著書を執筆しています。

『少女宣言』（長征社、1987年）
『たった5つの冴えたやりかた』プリンセス・プリンセス・インタビュー集（シンコー・ミュージック、1989年）
『大阪道頓堀川「ホームレス」襲撃事件―弱者いじめの連鎖を断つ』（太郎次郎社、1997年）
『おかあさんがもっと自分を好きになる本―子育てがラクになる自己尊重トレーニング』（学陽書房、2003年）
『子どもを認める「ほめ方・叱り方」― 愛が伝わる幸せ子育て』（PHP研究所、2006年）
『「ホームレス」襲撃事件と子どもたち―いじめの連鎖を断つために』（太郎次郎社エディタス、2009年）
『ま、いっかと力をぬいて 幸せなママになるレッスン』（赤ちゃんとママ社、2012年）
『子どもに「ホームレス」をどう伝えるか―いじめ・襲撃をなくすために』（一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット、太郎次郎社エディタス、2013年）

その他、編著や共著、解説執筆も多数あります。

北村年子は、ジャーナリスト、作家、ラジオパーソナリティ、そして社会活動家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、社会に貢献し続けています。

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