北村弘一

北村 弘一

北村 弘一（きたむら こういち、1931年12月18日 - 2007年10月2日）は、日本の著名な声優および俳優で、大阪府に生まれました。彼は、声優としてだけでなく、俳優としても多くの作品に出演し、特に関西弁を使ったコミカルな声が特徴です。それだけでなく、彼の娘は著名な女優である木村奈津子です。

来歴

北村の人生は波乱に満ちたものでした。彼は1945年、旧制中学校の2年生の時に終戦を迎え、その後満洲国から日本に戻ってきました。日本に戻った彼は新たな環境に適応しようと奮闘しましたが、未来についての不安から哲学や社会について学ぶ会を設立し、積極的に勉強に励みました。この不安感は彼の芸術への関心につながり、最終的には文芸部に在籍することになりました。しかし学校創立記念日の芝居を通じて演劇の魅力を知り、その劇団に参加することになったのです。

その後、早稲田大学文学部演劇科に進学し、学生劇団で自らの演技力を磨いていきました。新演劇研究所での経験を経て、彼は新劇の劇団に参加し、舞台俳優としてのキャリアをスタートさせました。しかし、当時の劇団ではマスコミ活動が禁止されていたため、彼はラジオドラマに出演し、新たな名声を得るきっかけとなりました。この経験から、彼は芸名を北村 弘一とし、さらに多くの作品に関与していきました。

1969年には江崎プロダクションの創立に参加し、その後マウスプロモーションでも活動を続けました。声優としてのキャリアは、映画やテレビの生放送アテレコを通じて広がっていき、特に『月光仮面』などのテレビドラマで演じた警官の役などは多くの視聴者に親しまれました。

彼は、持病の悪化が問題となった2007年頃、声優として『ザ・シンプソンズ MOVIE』の吹き替えオファーを受けましたが、スタジオに入れないほどの状況に至り、伊井篤史が代役を務めることとなります。悲しいことに、同年10月2日、東京の病院にて肺炎によって75歳で逝去しました。

人物

北村弘一は、役柄として誠実な老人や執事役、老博士役で多くのファンに知られる存在でした。彼自身も若い頃から老人役を演じていたと語っており、その声色や演技は他の追随を許さないものでした。また、彼は特にディズニーのキャラクター・スクルージ・マクダックの専属声優として、子供たちにも愛されていました。
彼は関西弁を生かし、多くのアニメやテレビドラマにおける役柄で確かな存在感を示し、同時にマウスプロモーションの養成所で講師としての顔も持っていました。

後任

北村の死後、彼の役柄を引き継いだ声優たちも多いです。日本の声優界に残した影響は今も色濃く、その業績や影響力は多くの後輩たちに受け継がれています。彼の存在は、日本の声優文化における重要な一ページとして、今後も人々の記憶に残り続けることでしょう。

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