北村清士 (郷土史家)

北村 清士について

北村 清士（きたむら せいし）は、1887年7月17日に大分県直入郡竹田町（現・竹田市）で生まれ、1980年4月4日に逝去した。教育者および郷土史家として知られ、地域の文化や歴史の保存に貢献したことで名を馳せた。彼は竹田市立図書館の館長を務め、別府大学文学部の講師としても活躍した。

経歴の概略

戦前

北村氏は旧士族の家系に生まれ、1908年に大分師範学校を卒業。その後、1916年に文部省師範学校教員検定試験に合格したことで、教職の道に進むことができた。彼は鹿児島県や大分県、さらには東京府において中等学校の教員としての経験を積み、さらには校長としてもその手腕を発揮した。

戦後の活動

第二次世界大戦後、北村氏は故郷の竹田町に戻り、1953年から竹田市立図書館の館長に就任した。この職務を通じて地域の文化資源を活用し、蔵書や資料の収集などに尽力した。また、郷土史に関する研究を精力的に行い、126冊もの著書を世に残すこととなった。さらに、別府大学文学部で講師として教壇に立ち、多くの学生たちに知識を伝えた。彼の著作は、地域の歴史や文化に関する重要な資料として評価されている。

晩年の業績

1967年にはその功績を称えられ、勲五等双光旭日章を受章。1979年には竹田市名誉市民に推挙され、その貢献が広く認められた。1980年に86歳で亡くなるまで、彼は竹田市の歴史や文化遺産を守り続けた。特に彼の自宅に併設された書斎は「奥渓文庫」と名付けられ、そこで貴重な書籍やキリシタン史料が保存されていた。この文庫は後に一般公開され、地域住民や訪れる人々にとって貴重な学びの場となった。

主要な著書

北村清士の影響は多岐にわたる著作を通じて今日に至るまで残っている。彼の主な著書には以下のようなものがある：

• - 『直入郡全史』私家版、1933年（編集）
• - 『中川家御紋並花押考』私家版、1957年
• - 『農民一揆』私家版、1958年
• - 『大分県の切支丹史料』私家版、1960年
• - 『岡藩藩祖中川秀成公の略伝 : 三百五十年祭典に際して』中川秀成公三百五十年祭典奉賛会、1961年
• - 『岡城物語』1962年
• - 『黒川文哲先生伝 偉大なるその生涯』竹田市立図書館、1969年

これらの著書は彼が長年にわたり地域の歴史や文化を研究し続けた成果であり、後世への重要な遺産となっている。他にも多くの著作があり、彼の研究と教育への情熱は、広く評価され続けている。彼の手による文献は、竹田市の歴史的な資料としても高く評価され、多くの人々に親しまれている。

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