北海道住宅供給公社

北海道住宅供給公社について

北海道住宅供給公社（ほっかいどうじゅうたくきょうきゅうこうしゃ）は、北海道における地方住宅供給を専門とした公的機関です。1950年に「財団法人北海道住宅建設公社」として設立され、1966年には地方住宅供給公社法に基づいて現在の名称に変更されました。公社は長年にわたり、分譲住宅や宅地分譲を手がけ、地方の住宅市場に貢献してきましたが、経済状況や地価の変動に大きく影響を受ける構造を持っていました。

経営危機と特定調停

バブル経済の崩壊後、公社は多額の土地を保有していましたが、地価の下落により資産の含み損が発生し、その結果、債務超過に陥りました。具体的には、約1,251億円もの借入金を抱え、経営の再建が非常に困難になりました。このため、公社は2003年6月10日に札幌地方裁判所に特定調停の申し立てを行いました。この手続は北海道住宅供給公社にとって初の法的債務整理となりました。

特定調停の過程では、金融機関との交渉が行われ、当初公社は全ての金融機関に対し、債権の約60%の放棄を求めましたが、住宅金融公庫はこれを受け入れず、長期的な低金利での元本全額返済を主張しました。最終的には、民間の金融機関も一部債権を放棄し、調停が成立。2004年2月27日には特定調停が完了し、再建への道を模索し始めることになります。

特定調停の決定内容

特定調停により、住宅金融公庫の債権全額（約236億円）は30年間の元金均等返済で決定されました。また、民間金融機関の債権（約734億円）に対しては、約60%の債権放棄が実施され、残りの金額は一括弁済することになりました。さらに北海道は、民間金融機関の債権放棄額の約半分を損失補償し、新たな融資を通じて弁済資金を確保することになりました。このような取り決めにより、公社は経営の健全化へと進むことが期待されています。

現在の事業と沿革

特定調停成立後、北海道住宅供給公社は新規の分譲住宅や宅地分譲事業を停止し、現在は主に賃貸住宅の管理を中心に運営しています。過去の沿革においても、1970年代から1980年代の住宅開発に力を注いできた歴史があります。特に札幌市内に多くのニュータウンを展開し、地域の住宅供給を支える役割を果たしてきました。

現在、たとえば屯田団地や北札幌ニュータウンは、北海道住宅供給公社が手がけた主要な宅地の一部です。また、50年代以降に建設された北方圏型規格住宅は、急角度の三角屋根が特徴で、今も多くの住宅が地域に残っており、過去の住宅供給の証とされています。

まとめ

北海道住宅供給公社は、地域の住宅ニーズに対応する重要な機関でありつつも、経済変動による課題に直面してきました。現在は賃貸事業を中心に展開し、持続可能な経営を目指して再建に取り組んでいます。今後の展開に注目です。

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