北海道大博覧会 (1968年)

北海道大博覧会

北海道大博覧会は、北海道の開道百年を記念する主要事業の一つとして、1968年（昭和43年）6月14日から8月18日まで、札幌市の北海道立真駒内公園で開催されました。「風雪百年 輝く未来」をメインテーマに掲げ、百年の歩みと未来への展望を紹介することを目的とし、千社を超える企業や二十数カ国が参加した大規模博覧会です。

概要

主催は北海道、札幌市、北海道商工会議所連合会、北海道新聞社。会場は真駒内公園の約9万9千平方メートルを使用し、展示面積は約1万6千平方メートルでした。

総入場者数は1,633,268人（有料1,529,419人）でした。目標の180万人にはわずかに届きませんでした。総事業費約6億円のうち、北海道と札幌市から計1億円の補助がありました。約1億円の剰余金は、百年記念施設の建設や札幌オリンピック関連施設、公共施設整備などに寄付され、地域の発展に貢献しました。島倉千代子によるテーマソング「道博音頭」、七光星と「H」「f」「100」を組み合わせたシンボルマークも制作されました。

主な施設と展示

会場には多様なテーマのパビリオンが設けられました。

輝く北海道館: 北海道の歴史と未来の姿を大規模パノラマ模型で展示しました。
伸びゆく工業館: 高度経済成長を支える北海道工業の現状と最新技術、製品を紹介しました。
豊かな農林水産館: 第一次産業の未来像を提案。機械化農業や新しい漁業基地構想などを紹介しました。
オリンピック館: 札幌冬季オリンピックへの期待を盛り上げ、招致の経緯や会場模型、冬季競技関連を展示。屋外にはサマージャンプ台や聖火台も設置されました。
あすの科学館: 最先端科学技術と未来の生活を紹介。宇宙開発やテレビ電話実演などが人気でした。
ホームアイディア館: 新しい時代の住まいと生活空間を提案。最新建材や家具、未来住宅模型を展示しました。
専売館: タバコと塩の歴史を紹介し、高速タバコ製造実演が話題となりました。
観光と物産館: 全国と北海道内の観光情報や特産品を展示・販売し、多くの買い物客で賑わいました。
アメリカ館: アメリカの過去（西部開拓）と未来（宇宙開発）を対比展示。アポロ計画関連資料が注目されました。
世界一周館: 世界各国の文化や観光情報を紹介し、海外旅行への夢を掻き立てる展示が行われました。
楽しい社会科館: ソビエト連邦の文化や社会、郵政事業、子供たちの発明工夫などを展示。ただし、会期中に展示内容の一部（北方領土表記）を巡る問題が発生し、一時的に一部コーナーが閉鎖される事態となりました。
夢の生活館: 衣食住やレジャーにおける未来の生活像を提示。最新家電、ファッション、ガス技術などを紹介しました。
* サーキノ館: 円周38メートルの360度スクリーンで迫力ある全円周映画「サーキノ」を上映しました。

パビリオンの他、北海道初のジェットコースターが設置された遊園地「ファミリーランド」や、子供向けの様々な遊具がある「こどもの世界」も人気を集めました。会場内には食堂街や休憩所、サービス施設なども完備されていました。ユニークな展示として、十勝鉄道で使用されていた豆列車や、鋼管製の仮設歩道橋なども来場者の目を引きました。

イベント

会期中は連日多彩なイベントが繰り広げられました。会場内のステージではHBC（北海道放送）のサテライトスタジオ公開放送が行われ、様々なテーマで来場者参加型のステージが展開されました。また、由美かおるや千葉真一、山本リンダといった人気芸能人のショー、陸上自衛隊によるパラシュート降下訓練なども実施され、博覧会を盛り上げました。

沿革

博覧会開催の構想は、北海道百年記念事業の一環として1965年頃から検討が始まり、会場は札幌市の真駒内公園に決定しました。1967年6月には北海道新聞社、北海道、札幌市、北海道商工会議所連合会の共催が正式決定し、施設の建設や準備が急ピッチで進められました。1968年6月14日に開会式が行われ、各界の要人が多数出席し盛大に幕を開けました。会期中には三笠宮夫妻や多くの大臣、知事なども来訪しました。主な出来事として、楽しい社会科館での展示内容（北方領土表記）に関する問題があり、ソ連邦コーナーが閉鎖されるという事態に至りました。1968年8月18日、盛況のうちに閉会式が執り行われ、博覧会の歴史に幕を閉じました。閉会後、会場の施設は速やかに解体され、公園は原状回復されましたが、一部の展示物や遊具は釧路市や苫小牧市の青少年科学館、藻岩ドリームランド、円山動物園などに移設され、その後も活用されました。

北海道大博覧会は、開道百年の節目を記念し、北海道の過去・現在・未来を示す一大イベントとして成功を収め、その後の地域の発展にも貢献しました。

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