北海道帯広工業高等学校

北海道帯広工業高等学校は、北海道帯広市に所在する道立の工業高校です。地域では「帯工（おびこう）」の通称で親しまれています。本校は、昭和39年（1964年）に十勝地方における工業分野を担う人材の育成を目指して開校しました。現在、十勝管内において唯一の工業に関する専門高校として、電子機械科、建築科、環境土木科、電気科の四つの専門学科を設置し、各分野における高度な知識と技術の習得を目指した教育活動を行っています。

教育の理念と目標

本校では、生徒が将来社会に貢献できる自立した人材となるための教育を推進しています。学校教育目標として、「自主自律の精神と豊かな人間性の育成」、「勤労を愛し責任を重んじる健康な社会人の育成」、「高い知性と実践力に満ちた工業人の育成」を掲げ、学力向上だけでなく、人間的な成長も重視しています。

スクールミッションにおいては、地域社会との連携を深め、生徒が体験的な学習を通して望ましい勤労観や職業観を身につけ、地域創生に貢献できる人材を育むことを重要な使命としています。また、豊かな人間性や社会性を培い、社会の第一線で活躍できる自立した職業人・社会人を育成すること、そして十勝管内唯一の工業高校として、実社会で即戦力となる高度な技術者を育成し、地域産業の発展および社会全体に貢献する学校であり続けることを目指しています。これらの目標に基づき、専門教育と並行して、人間教育にも力を入れています。

沿革

本校の歴史は、昭和38年（1963年）11月1日に北海道帯広工業高等学校として設置が認可されたことに始まります。同年11月15日には校章のデザインが決定しました。翌昭和39年（1964年）4月1日に正式に開校し、当初は機械科（2クラス）、建築科（1クラス）、土木科（1クラス）の体制でスタートしました。同年4月4日には、北海道帯広柏葉高等学校より建築科および土木科の生徒が転入し、4月11日には第1回入学式が厳粛に執り行われました。開校を祝う式典は5月4日に挙行されています。

開校間もない昭和40年（1965年）1月27日には校歌が制定され、同年3月10日には第1回卒業証書授与式が行われ、初めての卒業生が社会へと巣立ちました。10月18日には校旗が制定され、学校の象徴が確立されました。

その後の社会や産業構造の変化に対応するため、学科の改編が進められました。昭和55年（1980年）3月27日には電気科が新たに1クラス設置されました。平成9年（1997年）4月1日には、従来の機械科（2クラス）が電子機械科へと学科転換されました。さらに、平成17年（2005年）4月1日には、土木科が環境土木科へと改称・改編され、同時に電子機械科が1クラス減となり、現在の4学科体制となりました。

本校の沿革においては、部活動の活躍も特筆すべき点です。昭和56年（1981年）8月には、硬式野球部が第63回全国高等学校野球選手権大会（夏の甲子園）に出場し、全国の強豪と戦いました。同年にはラグビー部も全国高等学校ラグビーフットボール大会（花園）に出場しており、当時の運動部の目覚ましい活動ぶりがうかがえます。

学校生活と部活動

生徒は専門分野の学習に加え、多様な特別活動にも積極的に取り組んでいます。中でも運動部は非常に活発で、アーチェリー部（令和5年インターハイ出場）、アイスホッケー部（令和6年インターハイ出場）、バスケットボール部（昭和49年、54年インターハイ出場）、バレーボール部（平成4年全国高等学校バレーボール選抜優勝大会出場）、野球部（昭和56年甲子園出場）、ラグビー部（昭和56年花園出場）など、全国大会への出場経験を持つ部活動が多数あります。これらの活動を通して、技術や体力の向上に加え、協調性や精神力を養っています。

著名な出身者

各分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

村上右磨（スピードスケート選手）
市ノ瀬加那（声優）
* KAZUYA（YouTuber）

所在地とアクセス

本校は北海道帯広市清流西2丁目8番地1に位置しています。通学区域は北海道全域ですが、主に十勝管内から多くの生徒が通学しています。最寄りの交通機関はJR北海道根室線帯広駅で、駅から学校までは約5.7kmの距離にあります。

北海道帯広工業高等学校は、創立以来、地域社会に貢献できる工業技術者の育成に尽力しており、これからも時代と共に変化するニーズに応じた専門教育を提供し続けていきます。

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