北海道立向陽学院

北海道立向陽学院

北海道立向陽学院は、「ほっかいどうりつこうようがくいん」と読み、北海道北広島市に位置する公立の児童自立支援施設です。

この施設は、非行行為が見られたりそのおそれがあったりする女子児童、あるいは家庭環境などの要因により生活面で指導が必要とされる女子児童を対象としています。入所する児童一人ひとりの抱える課題や状況を把握し、それぞれに適した専門的な指導や支援を行うことで、将来社会で自立して生活できるようサポートすることを目的としています。

特筆すべき点として、入所対象は女子児童のみであり、男子児童は受け入れていません。北海道には、男子のみを受け入れている公立の児童自立支援施設として北海道立大沼学園が、私立（民営）としては北海道家庭学校などがあります。

沿革

施設の歴史は、1950年（昭和25年）3月に道立の女子教護院として設置されることが決定したことに始まります。翌1951年（昭和26年）4月には、北海道規則第85号により北海道立向陽学院設置規則が公布され、正式な組織としての体制が整えられました。

同年6月には、札幌市南区南の沢（当時の住所は南の沢1844番地）に広大な敷地（16万0525.94平方メートル）が確保され、第1期工事として3棟の寮舎（それぞれ211.91平方メートル）と炊事棟（99.09平方メートル）が完成しました。

1951年（昭和26年）9月29日に開院式が挙行され、同年10月には児童の入院（入所）が開始されました。当初は「すずらん寮」「しらかば寮」「はまなす寮」の3寮による夫婦小舎制が採用され、児童定員は45名でした。

その後、施設の節目を祝う記念式典が開催されています。

1966年（昭和41年）9月：創立15周年記念式典
1971年（昭和46年）9月：創立20周年記念式典

1969年（昭和44年）9月には、学院のシンボルとなる院章が制定されました。また、1983年（昭和58年）2月には、自然環境への配慮や鳥類保護への取り組みが評価され、北海道知事により愛鳥モデル校に指定されています。

施設の移転改築計画が具体化したのは1987年（昭和62年）3月のことです。新たな移転先として、札幌郡広島町字西の里（現在の北広島市西の里1015番地）の土地が購入され、移転に関する実施計画が完了しました。

そして、1989年（平成元年）6月には、学院が札幌市から広島町（現：北広島市）の現在地へと移転しました。この移転に伴い、寮の数も「すずらん寮」「しらかば寮」「あじさい寮」「はまなす寮」の4寮となり、夫婦小舎制は維持されつつ、児童定員は48名に増加しました。同年7月には、新しい施設での開院式が執り行われています。

その後、1998年（平成10年）4月には児童福祉法の改正があり、施設の種別名称が「教護院」から現在の「児童自立支援施設」へと変更されました。

児童の学習環境を整えるため、学院内には公立学校の分校が設置されています。

2009年（平成21年）4月：北広島市立西の里中学校陽香分校が開設
2011年（平成23年）4月：北広島市立西の里小学校陽香分校が開設

これらの分校により、入所児童は施設内で義務教育を受けることが可能となっています。

周辺環境とアクセス

北海道立向陽学院は、北広島市立西の里小学校（本校）と道路を挟んで隣接しています。

公共交通機関を利用する場合、JR北海道バスの循環新32系統・新札幌西の里線に乗車し、「西の里学校通」バス停（国道274号上）で下車後、徒歩でアクセスできます。

女子児童の自立支援という専門性の高い役割を担う施設として、地域社会との連携を図りながら活動を続けています。

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