北海道立産業共進会場

月寒グリーンドームの歴史と変遷

月寒グリーンドームは、北海道札幌市豊平区に位置する多目的施設で、1972年に開場し、2016年に閉鎖されました。この場は初めての総合畜産共進会場として設計され、特に畜産業界で重要な役割を果たしていました。

施設の設立背景と目的

1968年、北海道の百年記念事業として、家畜共進会を天候に影響されずに実施するための場所が必要となり、1967年からその建設が計画されました。日本には常設の共進会場が存在しなかったため、アメリカのウィスコンシン州の「デーン・カウンティ記念館」が設計の参考とされました。1970年に建設が開始され、1972年に開館しました。

当初の目的は、4年ごとに開催される「北海道総合畜産共進会」や競走馬の競り市など、畜産関連のイベントのための会場でした。館外には牛馬をつなぐための設備も設けられていました。

多目的利用と地域貢献

しかし、この施設は単なる畜産関係の利用にとどまらず、さまざまなイベントが開催されていました。博覧会やスポーツイベント、コンサート、見本市、自動車販売など、多種多様な使用がされ、収容人数は最大で4,000人に及びました。これにより、月寒グリーンドームは札幌市内の主要なイベント会場として知られるようになりました。

施設は、特にコンサートが行われる場としても人気がありました。北海道立総合体育センターや札幌ドームが完成するまでは、多くの著名アーティストのコンサートが開催され、地域の文化的活性化に貢献しました。

批判と閉鎖

その一方で、周辺の住宅開発が進むにつれて、家畜の臭いや騒音に関する苦情が増加しました。これにより、1986年以降は畜産関係の利用が終了し、新たな用途を模索する必要に迫られました。

2009年には施設の老朽化が進んでおり、閉館の方針が固まりました。2016年3月31日、月寒グリーンドームはその歴史に幕を下ろしました。閉鎖後は、売却や解体が検討され、2018年に建物は解体されました。

跡地と新たな展開

解体後の跡地には、新たに大規模商業施設「ブランチ札幌月寒」が2019年に開業しました。この商業施設は地域住民にとっての新たな憩いの場となっています。また、更地の一部には展示会や見本市を行う会場が整備される予定で、2027年には完成が目指されています。

施設の基本情報

月寒グリーンドームの敷地面積は122,700.8平方メートルで、建築面積は6,641.9平方メートル、延床面積は8,132.06平方メートルです。また、アリーナの面積は2,532平方メートルであり、多様な屋内競技や展示会に対応するスペースが確保されていました。駐車場は約2000台収容可能でした。施設の閉鎖までに数多くの歴史的なイベントが開催され、地域の文化や産業の発展に寄与してきました。

交通アクセス

月寒グリーンドームへのアクセスは、札幌市営地下鉄の各駅からの徒歩圏内にありました。特に南郷13丁目駅、月寒中央駅、福住駅からはそれぞれ徒歩で移動できる便利な立地でした。

施設の歩みを振り返ると、月寒グリーンドームは北海道における重要な文化と産業の拠点としての役割を果たしてきたことがわかります。現在はその跡地に新たな施設が建設されるなど、地域の活性化が期待されています。

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