北海道立総合研究機構農業研究本部上川農業試験場

上川農業試験場の概要

地方独立行政法人北海道立総合研究機構の農業研究本部として設立された上川農業試験場は、主に北海道内の農業に関するさまざまな試験や研究を行っています。その活動は稲作や上川、留萌振興局管内における地域に特化した研究を含み、農業の発展に寄与しています。

沿革

上川農業試験場の歴史は1886年に遡ります。当初、忠別農作試験場として上川郡の忠別太に設置され、その後、業務は樺戸集治監忠別出張所に引き継がれました。その後も数回の移転を経て、旭川市内でさまざまな名称変更を行いながら、試験場としての機能を拡大させてきました。特に1901年には北海道庁地方農事試験場に改称され、その後も支場を持つ形で地域農業の研究に貢献しました。

1942年には北海道農業試験場上川支場に改称され、その後も北海道立農業試験場上川支場となるなど、時代の変遷に合わせた名称変更が行われました。1973年には本支場制を見直して北海道立上川農業試験場に改称され、1994年には上川郡比布町に移転しました。

2010年には地方独立行政法人北海道立総合研究機構が設立され、それに伴って上川農業試験場も名称を改めています。さらに、天北支場として旧天北農業試験場を役割として引き継ぐことで、研究の範囲を広げています。

育成品種

上川農業試験場の重要な業務の一つには、米の育成があります。これまでに数多くの品種が開発され、地域の農業に貢献してきました。水稲では、坊主5号や富国、水稲農林20号、栄光、しおかりなどの品種があり、これらの粳種や糯種は、地域の農業生産に多数使われています。特に「ゆめぴりか」などは高い評価を受けており、消費者に人気があります。

研究の意義

上川農業試験場は、地域の農業技術の向上を図るための重要な拠点です。稲作の研究にとどまらず、他の農産物に関する研究も行っており、地域農業の環境や市場の変化に応じた研究開発が進められています。このような取り組みは、農業生産性の向上や地域経済の発展に直接つながっており、地域住民にとっても大きな意義を持つものです。将来に向けても、更なる技術革新や新たな品種開発が期待されています。

参考文献

上川農業試験場に関する詳細な情報は、北海道農業試験場の『北海道農業技術研究史』に記されており、また、上川農業試験場の歴史については、『北海道立上川農業試験場百年史』も参考にされています。これらの資料は、上川農業試験場の研究の歴史とその成果を知る上で貴重な情報源となります。

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