北海道静内農業高等学校

北海道静内農業高等学校：サラブレッド生産と農業教育の融合

北海道日高郡新ひだか町に位置する北海道静内農業高等学校は、全国でも類を見ない特徴を持つ公立農業高等学校です。その最大の特徴は、生産科学科の馬部門において、全国の高等学校で唯一サラブレッドの生産を行っている点にあります。競走馬生産という高度な技術と知識を学ぶことができる環境は、生徒たちにとってかけがえのない経験となっています。

生徒募集と学科構成

本校は食品科学科と生産科学科の2学科を設けており、どちらも道外からの募集を実施しているため、全国各地から多くの生徒が入学しています。学科のコース分けは2年生に進級してから行われるため、1年生では幅広い農業分野を学ぶことができます。

サラブレッド生産：輝かしい実績

1978年の開校当初から、アラブ系の馬を飼育していましたが、2000年からはサラブレッドの飼育を開始。さらに2019年からは2頭のサラブレッドを飼育する体制へと強化されました。

本校で生産されたサラブレッドは、中央競馬で活躍する馬も多く輩出しています。中でも2002年に出産されたユメロマンは、同校飼育のサラブレッドとして初めて中央競馬の新馬限定戦を制覇するという偉業を達成しました。これは、高校で生産されたサラブレッドの大きな成功例として、競馬関係者の間でも広く知られています。

また、毎年北海道で行われるセリ市にも出品されており、落札価格は年々上昇傾向にあります。2020年の北海道サマーセールでは、「健叶」（後の競走馬名：テイエムケントオー）が2500万円（諸税込み2750万円）という同校産馬史上最高額で落札されるなど、高い評価を受けています。

活躍馬

本校で生産された競走馬の中には、中央競馬で活躍した馬が多数います。

ユメロマン（牡・父ジェネラス）：JRAで3勝を挙げました。
ゴーゴーヒュウガ（牡・父スズカマンボ）：駒ケ岳特別などJRAで2勝を挙げました。
* サントゥールワン（アラブ）：益田優駿（2002年）で優勝しました。

これらの実績は、本校のサラブレッド生産における高い技術力と、生徒たちの献身的な努力の証と言えるでしょう。

教育活動と部活動

本校では、農業技術の習得だけでなく、生徒の育成にも力を入れています。体育系、文化系ともに活発な部活動が盛んで、生徒たちは授業以外でも多くの経験を積むことができます。馬術部はもちろんのこと、サッカー部、柔道部、空手道部、バレーボール部など、様々な部活動があります。また、乳牛同好会や放送局、新聞局など、農業に関連する活動だけでなく、多様な分野での活動を通して、生徒たちは社会性を育んでいます。

まとめ

北海道静内農業高等学校は、競走馬生産という全国的にも珍しい取り組みを通して、生徒たちに高度な農業技術と知識を習得させる場を提供しています。同時に、幅広い教育活動を通して、生徒個々の成長を支援しています。将来、農業分野や関連産業で活躍できる人材育成に貢献している、全国屈指の農業高校と言えるでしょう。

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