北県

北県（ハイチ）

北県（きたけん、ハイチ語: Nò, ノー）は、ハイチ北部に位置する県であり、県庁所在地はカパイシャンです。面積は約2,106平方キロメートル、人口は約106万人（2015年）を擁します。カリブ海に面し、豊かな自然と歴史を持つ地域です。

歴史

18世紀後半、北県はサン＝ドマング（現在のハイチ）において、砂糖プランテーションが最も繁栄した地域でした。しかし、地理的に他の地域から隔絶されていたため、入植者たちは経済的な自治を強く望み、奴隷たちが反乱に参加することはないだろうと予想していました。

ところが、1791年8月22日、多くの奴隷が蜂起し、内戦が勃発しました。自由を求めて立ち上がった数千の奴隷たちは、入植者と激しい戦闘を繰り広げました。わずか10日後には、奴隷たちは北県全域を掌握し、白人たちはいくつかの防備された拠点に閉じこもることを余儀なくされました。その後2ヶ月間で、奴隷たちは2,000人もの白人を殺害し、280もの農園を焼き払いました。この出来事が、ハイチ革命の幕開けとなりました。

1804年、ハイチは自由な共和国として独立を果たしますが、その後、南北に分裂し、北部はアンリ・クリストフの指導下にある黒人支配地域となりました。クリストフは1811年にアンリ1世としてハイチ国王に即位し、王国を築きました。しかし、1820年にアンリ1世が自殺すると、ジャン・ピエール・ボワイエが王国の併合を要求し、同年10月26日、2万の軍勢によってカプ・アンリ（現在のカパイシャン）が陥落し、ハイチは再び統一されました。

地理

北県は、北にカリブ海に面し、東に北東県、南に中央県、南西にアルティボニット県、西に北西県と接しています。山がちな地形が特徴で、沿岸部には平野が広がっています。

下位行政区画

北県には、以下の7つの郡 (awondisman) が置かれています。

カプ・アイシアン郡 (Cap-Haïtien)
アキル・ディノー郡 (Acul-du-Nord)
グランヌ・リヴィエ・ディノー郡 (Grande-Rivière-du-Nord)
サン・ラファイェル郡 (Saint-Raphaël)
オボイ郡 (Dondon)
ランベ郡 (Limbé)
プレザンス郡 (Plaisance)

関連項目

ハイチの行政区画

もう一度検索