北見マキ

北見マキ（1940年12月10日-2015年8月23日）は、日本のマジック界を代表するマジシャンの一人です。北海道出身で、1965年のプロデビュー以来、北海マキ、そして後に北見マキとして、国内外で活躍しました。

彼女のマジックは、高度な技術と、日本の伝統芸能や演劇的表現が見事に融合した独特のスタイルが特徴でした。単なる手先の巧みさだけでなく、観客を魅了するストーリーテリングや、演劇的な演出によって、忘れられない舞台を作り上げてきました。そのため、国内のみならず海外公演も多く行い、高い評価を獲得しました。

その功績は高く評価され、放送演芸大賞部門賞、文化庁芸術祭賞、ベストマジシャン最優秀賞など、数々の賞を受賞しています。日本の伝統奇術である手妻の一派、「養老派」の家元である養老瀧五郎の技を継承しており、その正統な後継者として、伝統を大切に守りながら、独自のスタイルを確立しました。

後進の育成にも力を注ぎ、北見伸（山上兄弟の父）、牧原俊幸（元フジテレビアナウンサー）、北見翼（養老瀧之丞）など、現在も第一線で活躍する多くのマジシャンを育てました。師弟関係を超えた温かい交流が、彼女の人格の高さを物語っています。

マジック界への貢献は、協会活動にも見られます。社団法人日本奇術協会の第9代会長、名誉顧問を務め、日本のマジック界の発展に大きく貢献しました。

さらに、彼女の活動はマジックの世界だけにとどまりません。俳優としても活動し、NHK大河ドラマ『草燃える』では大道芸人役、映画『異人たちとの夏』では奇術師役として出演するなど、幅広い才能を発揮しました。

また、集英社の漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」で連載された岡野剛の漫画作品『魔術師²』では、監修を務めました。この作品を通じて、マジックの魅力を多くの若い世代に伝え、日本のマジック文化の普及にも貢献しました。

2015年8月23日、肝臓がんのため74歳で逝去しました。日本のマジック界に大きな功績を残した北見マキの死は、多くの人々に深い悲しみを与えました。しかし、彼女が残した数々のマジックと、弟子たちへの影響は、これからも日本のマジック界を照らし続けるでしょう。彼女の功績は、いつまでも人々の記憶に刻まれ続けることでしょう。

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