北辰斜にさすところ

映画『北辰斜にさすところ』の詳細

概要

『北辰斜にさすところ』は、2007年に公開された日本の映画である。この作品のタイトルは、旧制第七高等学校の寮歌「北辰斜に」に由来しており、教育に対する疑問を持つ弁護士の廣田稔が作家の室積光にインスピレーションを与えたことが背景にある。室積はその思想をもとに、老朽化した教育システムを問題視し、旧制高校のOBたちに取材を実施。その結果、小説『記念試合』が誕生した。この作品は、2002年に百周年を迎えた鹿児島の第七高等学校造士館と熊本の第五高等学校の間で行われる対抗野球戦を背景にしている。

映画は、旧制高校時代の名投手たちの思い出と記念試合の準備を描写し、昭和初期の学生たちの青春やその後の人生に焦点を当てている。特に、勝弥の中国戦線での経験や、故郷への帰還までの道のりが情緒豊かに語られる。

あらすじ

七高と五高の野球対抗戦が100周年を迎えるにあたり、OBの本田一は二つの大学野球部の選手たちが旧制高校のユニフォームを着て試合を行うことを提案する。この試合の舞台は、五高にとってのホームグラウンドであり、七高にとっては伝説の投手である上田兄弟の故郷である人吉の川上哲治記念球場だ。

七高のOBたちは、上田勝弥の参加を期待する。一方、勝弥は当初、参加をためらうが、彼の高校時代の思い出や孫の勝男の進学希望を受けて、最終的に試合に出席することに決める。途中で、彼が野球から遠ざかっていた理由が明らかになり、彼の過去と向き合うことになる。

登場人物

• - 上田勝弥: 昭和初期に七高で活躍した伝説の投手。戦後は医師として整形外科医院を開業し、神奈川県でリタイア生活を送っている。大学時代のチームメイトであり、戦中の再会が彼の心に影を落としている。
• - 上田勝男: 勝弥の孫であり、高校で野球部に所属する青年。祖父の高校時代の話を通じて鹿児島大学への進学を志望する。
• - 上田勝雄: 勝弥の弟で、戦争に徴兵され戦死。彼もまた名投手として知られる。
• - 西崎浩一: 勝弥の高校時代のバッテリー相手であり、勝弥との友情が描かれるキャラクター。

スタッフとキャスト

この映画は、神山征二郎が監督を務め、室積光が脚本を執筆した。主要キャストには、上田勝弥役の三國連太郎、草野正吾役の緒形直人、上田勝弘役の林隆三、そして勝男役の林征生などが出演している。また、作品全体を通じて、家族や友情、そして過去を振り返ることの重要性が強調されている。

まとめ

『北辰斜にさすところ』は、旧制高校出身のOBたちの絆と青春を描いた感動的な作品であり、特に野球を通じた繋がりの重要性を問いかける。また、教育や人生の選択についても考えさせられる内容となっており、幅広い観客に感動を与えることでしょう。

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